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展示捕鯨船「第16利丸」 乗船公開10年8ヵ月ぶり 石巻・ホエールタウンおしか

乗船公開を再開し、大漁旗が飾られた展示捕鯨船「第16利丸」

 石巻市鮎川浜に陸上保管され、東日本大震災の津波で被害を受けた展示捕鯨船「第16利丸」の乗船公開が18日、10年8カ月ぶりに再開された。捕鯨基地・鮎川のシンボルが復活し、地域住民らに喜びが広がった。

 第16利丸は牡鹿地区の拠点エリア「ホエールタウンおしか」に展示する。全長約68メートル、重さ約758トン。1958年に建造され、南極海などで約30年操業した後、90年に観光施設「おしかホエールランド」の展示船となった。

 震災で津波に遭ったが流失は免れた。市は周辺をかさ上げし、広場を整備。船体の塗装や修繕が終わり、乗船を再開した。船上では船員がクジラを探すブリッジや銛(もり)を打つ捕鯨砲などを見学できる。

 再開を祝い、船体前のステージでは同市鮎川小の児童が太鼓演奏を披露。17、18日に市内で開かれた「全国鯨フォーラム2021石巻」の参加者も視察した。

 見学した近くに住む遠藤得也さん(80)は、姉妹船の「第17利丸」に乗っていた元捕鯨船員。「陸揚げされた時も見ていた。地域の自慢の一つ。乗船が再開できてよかった」と喜んだ。

 ホエールタウンを運営する一般社団法人鮎川まちづくり協会の斎藤富嗣代表理事は「乗船できる捕鯨船は全国唯一。クジラをメインにしたまちづくりに生かしたい」と話した。

 ホエールタウンは20、21の両日、船上からの餅まきを午後1時から行う。海の生き物を学ぶセミナーやワークショップもある。

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