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石巻・岡田劇場モチーフに人情舞台劇「天国」 仙台・きょう上演

岡田劇場を舞台にした演劇を作・演出する宅間さん

 東日本大震災の津波で流失した石巻市の老舗映画館「岡田劇場」をモチーフにした人情舞台劇「天国」が20日、仙台市青葉区の電力ホールで上演される。俳優宅間孝行さんが主宰する演劇企画「タクフェス」の最新作。演者として舞台にも立つ宅間さんは「リアルとフィクションを織り交ぜた。石巻の方に愛着を持ってもらえるものを届けたい」と公演への思いを語る。

 「タクフェス」は2013年に立ち上げ、今回で9作目の公演。新型コロナウイルスで打撃を受けたエンターテインメント業界へのエールや、劇場の裏方に光を当てた作品を作りたいとの思いから制作された。

 岡田劇場を舞台にしたのは、今年3月、テレビで東日本大震災10年の報道番組を見た宅間さんが、石巻市のことを調べる中で、劇場の存在を知ったことがきっかけ。同市に足を運び、劇場関係者や市内で演劇活動に取り組む役者らから現状を聞き、方言指導を受けるなど準備を進めてきた。

 舞台に数多く登場する酒の空き瓶や段ボールといった小道具も主に石巻のものを使用している。「できるだけ生の感じ、地元感を出したい。関係者の方々に協力いただいた」と話す。

 公演は10月22日の名古屋を皮切りに、札幌、新潟でも行った。「来場者から石巻に行きたくなったという感想をもらった。動く伝承館のような役割ができている」と手応えを話す。

 仙台公演後は大阪、東京でも上演する。宅間さんは「苦しみを抱えても懸命に生きる人への応援歌だと思っている。全国の人に震災を改めて考える機会になってほしいし、芝居で宮城、石巻の方々と一つになりたい」と意気込む。

 午後2時開場、3時開演。全席指定8000円、学生4000円(高校生以下)。当日券は開場時間より会場で販売。連絡先はキョードー東北022(217)7788。

タクフェス第9弾「天国」 仙台公演2021年11月20日

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