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「いのちの石碑」21基達成 震災の教訓、千年先まで 女川中卒業生ら誓う

21基目の石碑を披露する卒業生ら

 東日本大震災の教訓を後世に伝えるため、女川町女川中の卒業生らが町内に建立を進めていた「女川いのちの石碑」の21基目が完成した。「1000年後の命を守る」を合言葉に、津波到達地点より高い場所に計21基建立する目標が達成された。卒業生たちは震災の記憶を語り継ぎ、命を守る防災の輪を広げていくことを誓った。

 21基目は、昨夏高台の新校舎に移転した女川小・女川中横の遊歩道に建てられた。除幕式は21日に現地であり、卒業生でつくる「女川1000年後のいのちを守る会」のメンバーら約30人が参加。石碑の除幕後、碑文に込めた思いを紹介した。

 石碑には、「地震が来たら、この石碑よりも上へ逃げてください」などのメッセージが書かれている。旧女川中敷地内に建てられた1基目と同じ「夢だけは 壊せなかった 大震災」という卒業生の1人が詠んだ俳句を刻んだ。

 1基目は2013年11月に披露され、約8年でプロジェクトの目標としていた21基目に達した。メンバーの山下脩さん(22)は「石碑を建てるだけでなく、ここからがスタートになる。これからも活動を続けていきたい」と決意を新たにし、鈴木智博さん(22)は「1000年後に命を守れた時に活動が意味をなす。残り990年語り継ぎ、自分で命を守る防災の輪を広げたい」と語った。

 2011年度に中学1年生だったメンバーは、授業を通して(1)絆を強める(2)高台に避難できる町づくり(3)記録に残す-といった津波対策案を考えた。会は石碑の建立のほか、震災の教訓を記した「女川いのちの教科書」作りなどにも取り組んでおり、新たな石碑の設置も検討している。

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