デスク日誌(11/26):プロ意識

 17日朝、朝刊の東北ワイド面に掲載されたミニコーナー「共に歩もう」が目に留まった。21行、文字数わずか272字に、仙台市の主婦(60)の震災10年が凝縮されている。

 「あの日、地震後に仙台市六郷小で長女、六郷中で長男の引き渡しを受け、車で帰宅するところでした。海側から来た車が『津波だ』と教えてくれ、引き返し助かりました」

 1パラ目に5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうやって)が無理なく盛り込まれ、2パラ目で被災状況と4カ月の避難所暮らしを伝えている。

 「避難所は大変だから」。3パラ目は3人の子どもを抱えながらも、長男を預かってくれた同級生の保護者の心温まるエピソード。この原稿のヤマ場だ。

 ラスト5行は保護者仲間や親戚、友人、自衛隊やボランティアらへの感謝を伝え、思いは「一生続く」と締めくくっている。

 「良かったよ」と伝えたくて筆者を調べると、報道部震災班の中堅だった。ふだん1面や社会面で勝負している震災班の記者が、持ち回りの小さなコーナーにも手を抜かない。そのプロ意識がうれしい。(報道部担当部長 山崎敦)

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