<ペット考現学>(22)臆病なハリネズミ/慣れないと防御姿勢に

慣れれば自分から人に近寄ってくることもあるハリネズミ

 ハリネズミは小動物の中ではとても人気のある種で、以前と比べて飼育者数が随分と増えたように感じられます。前回ご紹介したフクロモモンガ同様、繁殖方法が確立されペットショップで見かけることが増えたこと、インターネットの普及によって飼育方法が広く知れ渡ったこと、専用の飼育用品が充実したことなどが飼育者数の増加につながったと考えられます。

 ハリネズミはネズミの仲間ではなく、モグラと近縁の小動物です。日本でペットとして飼われているのはヨツユビハリネズミと呼ばれる種類で、ペットショップでは別名ピグミーヘッジホッグという名で販売されていることも多いようです。ハリネズミは見た目もかわいらしく、おっとりとした性格の癒やし系の小動物ですが、人に懐くというよりは「人に慣れる」という感じのペットです。犬や猫、ウサギ、フェレットのように一緒に遊ぶということはあまり期待できませんが、人の手が怖いものではないと学習すれば自分から寄ってきて手に乗ってくれることもあります。

 さて、ハリネズミといえばやはりあの針が大きな特徴ですね。今回はハリネズミの「針」について書いていきましょう。ハリネズミは体中を針で覆われているイメージがあります。しかし実は、生えているのは針のように硬くなった毛です。その毛は大きく3種類に分かれます。背中にびっしりと生えた硬い針のような毛。顔やおなかに生えている柔らかい毛。そして、針のような毛と柔らかい毛の境に生えている少し硬めの毛。中間の毛は、その部分を触ると少し硬く、つやと張りがあることがよく分かります。

 ハリネズミの針といわれる部分は毛や爪と同じ材質でできており、進化の過程で身を守るためにあのようになったと考えられています。およそ15センチ程度の身体に実に5000本もの針(毛)が生えているといわれます。普段、リラックスしている環境では、ハリネズミの毛は寝ているので、根元の黒い部分は隠れて、背中は白く見えます。ですが、敵が現れると、身を守るため針が立ち、黒い部分が出てきます。

 慣れていないうちは触ると、びっくりして毛が立つ防御姿勢になります。冒頭にも書きましたが、ハリネズミは懐く、というよりは慣れる生き物です。この防御姿勢を取る頻度やリラックスまでの時間はその子の性格によって大きな違いがあります。いずれにせよ、臆病なハリネズミを飼うのに向いている人は、長い目で温かく見守れる人ではないかなと思います。(仙台総合ペット専門学校 教務課長)

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ペットとの暮らし

仙台市在住の獣医師が、犬や猫をはじめ、ウサギなど小動物の飼い方を、生態や習性を踏まえて、詳しく分かりやすくアドバイスします。

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