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市民と創る舞台「里浜のアテナイ」、稽古に熱 東松島・12日公演

稽古で劇団員の演奏に合わせて歌う地元の子どもたち=4日、東松島市野蒜の防災体験型宿泊施設KIBOTCHA(キボッチャ)

 東京の劇団丸福ボンバーズと東松島市民による創作劇「里浜のアテナイ~新宮戸八景物語から~」が12日、同市野蒜の奥松島クラブハウス多目的ホールで行われる。本番を控え、稽古も熱を帯びる。劇団員と地元の小中高生らが力を合わせて宮戸島物語に挑む。

 国史跡の里浜貝塚を題材にした「里浜のアテナイ」は、現代と縄文時代の里浜を結ぶファンタジックな物語。里浜で暮らしていた縄文人は争いを好まない平和な民だったことをうたいあげる。最後は出演者全員で、心温まる歌と合奏を披露する。

 公演には地元から小中高生4人が臨む。その一人、矢本西小5年の浅野紗羽さん(11)は「私は縄文人の女の子の役。大人の人たちと芝居するのが楽しみ」と張り切り、初日の稽古では劇団員に交じってセリフをハキハキと読んでいた。

 主宰で作・演出の福島三郎さん(52)は「公演の模様は録画して後日、動画で配信する。自然と歴史の豊かな宮戸島にまつわる物語を、ここから世界に発信したい」と強調する。

 公演は当初、昨年3月に予定していたが、新型コロナウイルスの影響で中止となった。今回、仕切り直しする形で再開した。

 丸福ボンバーズは、2018年から東日本大震災の被災地・野蒜地区で演劇を通した地域住民との交流を図ってきた。「里浜のアテナイ」は活動の集大成でもある。

 12日の一般公開は午後3時から。上演時間は約1時間。入場無料。予約制で先着50人。主催は仙台市の舞台関連会社boxes(ボクシーズ)。連絡先は022(353)9755=正午~午後7時=。

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