しょくば拝見>水産加工業 ミノリフーズ(石巻市魚町)
<若者が誇り持つ産業に>
石巻魚市場をはじめ北海道や三陸沿岸など北日本各地から新鮮な魚を買い付け、生食用や加熱用の三枚おろし、切り身などに加工して販売している。主力はマダラや銀ザケ、秋サケなど。機械だけでなく手作業で一つ一つ丁寧に処理を施すことで、顧客ニーズに合わせた製品を生み出している。回転ずしチェーンやスーパー、食品メーカーなど全国の取引先から高い評価を得て販路を広げている。
2019年5月に2代目を継いだ渋田大和社長(38)は「石巻の魚を全国へ売り込めるのがこの仕事の魅力。おいしい魚を届けたい」と力を込める。
東日本大震災では、完成からわずか1カ月だった石巻市魚町の工場が全壊。塩釜市の仮工場で11年6月に業務を再開し、現在は魚町に二つの工場を構える。
17年に完成した魚町第2工場は、今年5月に食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC22000」認証を取得。東南アジアやアメリカへの輸出も視野に入れる。
従業員がいきいきと働ける職場づくりを大切にしている。専門学校卒業後に入社したベトナム出身の20代社員に副工場長を任せるなど、意欲のある若手を積極的に登用する。子育て中の女性らも働きやすいよう、将来的には生活スタイルに合わせて勤務時間を選べるフレックス制を導入するつもりだ。
渋田社長は「30年先も若い人たちに誇りを持って働いてもらえる産業にしたい。より良い商品をお届けするため、挑戦を続けていきたい」と意気込む。
■会社概要
2003年11月に渋田社長の父で現会長の秋月純市氏が設立。関連会社が2社ある。従業員数はベトナム人技能実習生を含め68人。資本金3000万円。社是は「夢はでっかく、根はふかく」。本社は石巻市羽黒町にあり、魚町に2工場を構える。拠点の魚町第2工場は魚町2丁目5の6。0225(21)2704。