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しょくば拝見>醸造業 山形屋商店(石巻市門脇町1丁目)

地域の食材を引き立てる調味料を製造する山形屋の社員ら

<食卓の「名脇役」目指す>

 みそやしょうゆなどを製造、販売する。創業は1908年にまでさかのぼる、伝統の味を守り続けてきた老舗だ。社長は4代目の山形政大さん(50)。東日本大震災の被害を乗り越えて会社を再建し、「地元の方やボランティアの人々からたくさんの支援をいただいた。食事を通して恩返ししたい」と話す。

 大豆を長期熟成してうま味を凝縮した「仙台みそ」や、鮮魚にぴったりの「ヤマダイしょうゆ」が定番商品。石巻のローカルフード開発にも携わり、「石巻おでん」や「どぶ漬け唐揚げ」、和風の「鯖(さば)だし」などを手掛けた。「調味料は最終的には脇役だが、地元産の野菜や海鮮などを引き立てる名脇役にしたい」。

 一般の小売りだけでなく業務用も多数販売している。少量からでも生産できる体制を生かし、ユニークで幅広いラインアップをそろえる。今年7月にはイスラム教徒(ムスリム)でも食べられる焼き肉のたれを発売した。

 震災では約2メートルの津波に襲われ、日和山のふもとにある工場と社屋が全壊し、一時は廃業の危機に直面した。ボランティアによるがれきの撤去や泥かきを経て、支援や地元企業と連携した復興企画などに参加。2011年6月に事業再開を果たした。

 山形さんは「何とか地元で100年以上も続けて来られたことに感謝している。震災後にできた仲間たちと協力し、これからも地域に貢献していきたい」と語った。

■会社概要
 1908年5月、みそ・しょうゆ業を初代大輔氏が創業。従業員は社員、パートを含めて計9人。資本金は1000万円。震災で被災し、地元企業が修復したしょうゆ用の木おけと煙突がシンボル。営業時間は午前9時~午後5時。石巻市門脇町1丁目11の16。0225(95)1065。

山形屋商店

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