駆除のシカ肉を有効活用 石巻・丸信ワイルドミート、大和煮缶詰に
有害駆除されたニホンジカの肉を加工販売する石巻市小船越の「丸信ワイルドミート」が13日、市内の水産加工会社と連携し、シカ肉の大和煮缶詰「伊達の黄金鹿」を発売した。駆除されたシカの多くは埋設処理されており、食肉として有効活用して消費拡大につなげる。
同社は2009年にも駆除されたシカを活用し大和煮缶詰を数量限定販売した。県猟友会河北支部が市内で捕獲したシカを使用。木の屋石巻水産が缶詰に加工し、砂糖としょうゆ、ショウガなどで甘辛い大和煮にした。新鮮なうちに下処理しているため臭みがなく、はしで簡単にほぐれるほど柔らかく仕上げた。
シカによる農作物被害は深刻化している。県や市などでつくる牡鹿半島ニホンジカ対策協議会によると、20年度に市内で報告された農作物の被害額は約2150万円。防護柵の設置や捕獲といった対策を強化しており、市内の捕獲数は過去最多の約2960頭に上った。しかし食肉となるのはそのうち1割に満たず、ほとんどが埋設処理されているという。
県猟友会河北支部長も務める三浦信昭代表(79)は「命をただ捨てるのはしのびない。シカは高タンパク低脂質で鉄分も豊富。食べることで有害駆除に参加してほしい」と呼び掛ける。
缶詰は170グラム(固形120グラム)で650円。来年1月11日まで、市役所1階の石巻観光協会駅前案内所と市雄勝地区の道の駅「硯上の里おがつ」の海産物直売所で販売している。
連絡先は三浦代表090(2607)9567。