障害者の就労後押し 石巻職安がミニ面接会、2年ぶり
石巻公共職業安定所(ハローワーク石巻)管内企業の障害者雇用率(2020年6月時点)は2.12%。上昇傾向にあるものの、全国平均(2.15%)、県平均(2.17%)を下回り、雇用拡大が課題だ。関係機関は一人でも多くの就労を実現しようと、面接会の開催や障害者のスキルアップ支援などを通し、就職活動をサポートしている。
ハローワーク石巻は7、8の両日、石巻市泉町4丁目の庁舎で「障害者就職ミニ面接会」を開いた。新型コロナウイルス対策のため規模を縮小し、2年ぶりに開催。2日間で金融機関や小売業、福祉施設など8事業者がブースを設け、延べ20人の障害者と面接を行った。
参加者は就職を希望する企業のブースを回り、担当者から業務内容や勤務時間といった雇用条件の説明を受けた。志望動機やスキルなどの自己PRを行い、熱意を担当者に伝えた。今回は予備面接で、本面接を経て採用が決まる。
障害者2人を雇用している東松島市の高齢者福祉施設の担当者は「介護職員や清掃担当での雇用を考えている。障害者の先輩がいることやサポート体制などを説明したい」と話した。
ハローワークの伊藤文武所長は「面接会のほか、引き続き事業所訪問を通して障害者雇用への理解を深めていく。一人でも多くの障害者の就職に結びつけたい」と力を込めた。
<マナビー、ITスキル習得支援>
障害者の就労移行を支援する「manaby(マナビー)石巻駅前事業所」(石巻市清水町1丁目)は、利用者のITスキル習得を後押して就職の実現につなげている。新型コロナウイルス禍で障害者が働きやすい在宅ワークが普及したことも追い風となり、本年度は12月までに利用者12人が就職を果たした。
国の障害福祉サービスで、障害や疾病のある18~65歳が無料で利用できる。現在は約15人が登録しており、個々の状況や将来の希望に合わせてパソコンを使った職業訓練や生活習慣改善への助言、就職活動のサポートなどを展開している。
職業訓練は自分のぺースで学べる「eラーニング」で、文章入力やプログラミング、デザインなどのスキルを身に付ける。卒業生は事務やデータ入力などの分野で活躍。就職後の定着支援も行っており、半年間はスタッフが障害者と企業の橋渡し役としてサポートを続ける。
管理者の今野志麻さん(31)は「一人で悩まず、就職活動を総合的にサポートする機関があることを知ってほしい」と利用を呼び掛ける。