航空自衛隊松島基地が開設80周年 市と共存共栄、まちづくり

秋晴れの下、曲技飛行を披露したブルーインパルス=2021年10月3日、石巻漁港上空
「東松島あんてなショップまちんど」の店内にはブルーインパルス関連のグッズが並ぶ
小雨が降る中、朝早くから熱心なファンが訪れ、にぎわう=2018年8月26日、基地内

 航空自衛隊松島基地(東松島市矢本)は、今年開設80周年を迎える。F-2戦闘機操縦者の養成拠点として後進の育成に尽力する一方、曲技飛行チーム「ブルーインパルス」による広報飛行や救難部隊の活動など重要な役割を担う。東日本大震災では甚大な被害を受けたが復旧復興を遂げ「復興のシンボル」となった。東松島市は基地のまちの恩恵を生かしつつ「共存共栄」の姿勢でまちづくりを進めていく。

 2020東京五輪では聖火リレーの聖火到着式の場所に選ばれ、全世界から注目を集めた。ブルーは昨年7月23日の東京五輪開会式で国立競技場の上空にカラースモークで五輪マークを描いたほか、8月24日のパラリンピック開会式でもフライトし、大会ムードを盛り上げた。昭和、平成、そして令和の時代に入っても、基地の存在と果たす役割は大きい。

<ブルー、最高の観光資源>

 東松島市は、松島基地を「最高の観光資源」と位置付ける。特にブルーインパルスは、市の知名度アップに大きく貢献するキラーコンテンツだ。ふるさと納税返礼品の関連グッズはぬいぐるみやタオル、バッグなど21商品に上る。

 市復興政策課は「全国に東松島市イコールブルーインパルスが浸透してきた」と説明。昨年秋にはブルーをデザインしたマンホールのふたを返礼品に加えた。全国の収集家やブルーのファンからの納税に期待、新規の獲得も目指している。

 2017年4月に製作を始めたマンホールカードも人気で、カードマニアが全国から駆け付け購入するなど注目度は高まっている。

 主要な関連グッズは、JR矢本駅前そばの「東松島あんてなしょっぷまちんど」でも販売している。午前10時~午後6時。不定休。正月の営業再開は5日(午前10時~午後3時)。

<航空祭、経済効果は数億円にも>

 震災後、航空祭が7年ぶりに完全一般公開として復活した2017年8月27日は、全国から4万3000人が来場。18年も4万3000人、19年8月25日は、5万6000人を数えた。前日からの宿泊客や飲食代、グッズ購入費などを合わせると経済効果は数千万円から数億円になるとみられる。

 東松島市の山形健産業部長は「震災前の市内の宿泊施設の収容能力は41施設で1400~1500人。現在は14施設で1000人程度」と説明。航空祭の時は毎回ほぼ満杯になるといい、基地の存在価値の大きさを示している。

 平日にも県内外からブルーインパルスを見に訪れるファンは多い。好天の日は40~50台の乗用車が道路沿いなどに駐車するという。市はブルー観覧用の駐車場(100台収容)を来年3月までに整備する。

 渥美巌市長は「防衛省の補助金がパークゴルフ場のクラブハウスや東松島消防署の建設、市コミュニティセンターの大規模改修、18歳までの医療費無料化の財源の一部にも充てられる」と、基地のまちの恩恵に感謝している。

東松島市長・渥美巌氏「貴重な財産、人財」

 本市にとって松島基地は大切な財産です。隊員の皆さんは国防という崇高な理念の下、日々過酷な訓練に尽力。転勤などによる勤務環境の変化が大きい中、地域の文化・スポーツ行事などの地域づくりに積極的に参加、貢献する貴重な「人財」でもあります。

 市長就任以来、松島基地との「共存共栄」を掲げています。2020年3月には、東京五輪の聖火がギリシャから日本で最初に松島基地に到着したことを記念し、「スポーツ健康都市」を宣言。スポーツ振興と健康のまちづくりを進めることにしました。

 20年5月には新型コロナウイルス感染症の対応に尽力する医療従事者らに敬意と感謝を表し、ブルーインパルスが都心上空を飛行。大勢の方々が勇気づけられたことと思います。昨年の東京五輪やパラリンピックでの各開会式、「第40回全国豊かな海づくり大会~食材王国みやぎ大会」、11月の「第1回東松島市産業祭」でもブルーの展示飛行が繰り広げられ、各イベントに花を添えました。

 今後も松島基地と市が共に歩み繁栄できるよう良好で信頼できる関係づくりに努めるとともに、新型コロナが収束し、3年ぶりの航空祭が開催されることを心待ちにしています。

 
【航空自衛隊松島基地沿革史】
1938年 日本海軍の飛行場で松島海軍航空隊矢本飛行場の建設工事を開始
  42年 第1・第2滑走路などの飛行場が完成
  45年 米軍駐留。「松島キャンプ」となり、米軍第11空挺団が進駐する
  54年 保安隊臨時松島派遣隊新設・航空自衛隊臨時松島派遣隊新設
  55年 日本政府へ返還。松島基地が発足し、第2操縦学校に改編
  58年 第4航空団が新設
  59年 松島管制隊・松島気象隊新設
  60年 中部航空方面隊に編合
  64年 松島救難隊新設
  73年 飛行教育集団に編合
  75年 機種更新
  82年 飛行群第21飛行隊に戦技研究班新設(Tー2ブルーインパルス)

  89年 航空教育集団に編合
  94年 第402基地防空隊新設
  95年 飛行群第11飛行隊新設(Tー4ブルーインパルス)
2001年 飛行群第22飛行隊整理 
  03年 第402基地防空隊整理 基地業務 
      群第4基地防空隊新設
  11年 東日本大震災で被災
  13年 第11飛行隊松島帰還
  16年 第21飛行隊松島帰還、松島基地復興感謝イベントを開催
  17年 7年ぶりに松島基地航空祭を開催
  20年 2020東京オリンピック聖火リレー聖火到着式
(基地ホームページなどから)

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