河北春秋(1/7):手のひらほどの大きさの粘土製のつぼ。中に…

 手のひらほどの大きさの粘土製のつぼ。中には銅の筒、鉄の棒、アスファルトの破片。2000年以上前のイラクの遺跡から見つかった奇妙なつぼ。「バグダッドの電池」と呼ばれる▼90年近く前に発掘された。複製を作って筒に酢を入れると小さな電流を生みだしたという(ピーター・ジェームズ『古代の発明』)。否定的な見解もあるが、このつぼが本当に電池だとすると、電池の歴史は想像以上に古いことになる▼現代に入って高性能化が進み、小さくて軽い大容量の電池は身近な家電に普通に使われている。そして自動車だ。重い車さえ動かす時代に入り、先日は大手電機メーカーのソニーが電気自動車(EV)製造への参入を発表した▼EVは構造がシンプルで、海外では異業種からの参入が既に活発だ。ただし、安全性への懸念がくすぶる。例えば米テスラ。ボンネットが突然開くなどとして、大規模リコールの実施を決めた。新規参入組の技術力が改めて問われよう▼脱化石燃料の競争が世界の自動車産業で激化する中で、ソニーの参入に注目が集まる。安全で環境負荷が小さく、乗って楽しい車。EVに大きくかじを切った既存の自動車会社と競争し、あるいは協力しながら、どんな車を生みだしてくれるのだろう。楽しみが尽きない。(2022・1・7)

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