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将来の課題解決へ 東松島市商工会、4事業者に経営大賞

東松島経営大賞の受賞者たち
車いすのグリップ部分に装着して使う「らくP」。男性でもかがまずに車いすを押すことができる

 東松島市商工会の「2021年度東松島経営大賞」の顕彰式が昨年12月23日、同市赤井の東松庵で開かれた。金賞の福祉用具開発・販売「Protect you(プロテクトユー)」(東松島市赤井)など4事業者が表彰された。

 渥美巌市長や商工会の関係者など約30人が出席。商工会の橋本孝一会長は「新しいアイデアで大いに東松島が盛り上がっていくことを期待する」と激励し、受賞事業者に賞状を手渡した。

 プロテクトユーは、介助者の負担を軽減する車いすアタッチメントのビジネスプランを提案。実現性や顧客ニーズを踏まえた商品開発などが評価された。

 銀賞にはアクティブ、銅賞には佐藤農園とカメヤがそれぞれ選ばれた。金賞には賞金50万円、銀賞30万円、銅賞10万円が贈られた。

 経営大賞は将来の課題解決につながる事業企画やアイデアを募り、地元企業の意識醸成を図ろうと2019年度に始まった。

<介助負担の軽減へ>

 金賞のプロテクトユーが開発したのは、車いすのグリップ部分に取り付けるアタッチメント「らくP」。四方をどこでもつかめる形状になっているのが特徴。さまざまな持ち方ができ、握力の弱いお年寄りや女性、長身の男性など、どんな介助者でも楽に車いすを押すことができる。とっさの場面でもつかみやすく、車体を持ち上げやすい。素材には繊維強化プラスチック(FRP)と一部にステンレスを使用した。

 両親の介護経験を基に、斎藤洋隆社長(47)が考案した。車いすをかがんで押さなければならず、腰への負担が大きかった。斎藤社長は「亡くなった母に車いすを押すのが下手だと言われていた。介助者はもちろん、乗っている人も心地よい物を作りたかった」と思いを語る。

 石巻地方の医療機関や福祉施設などの協力を得て実証実験を重ね、職員からは介助が楽になったという声が多く寄せられたという。斎藤社長は「自宅での老老介護も増えている。苦労しているお年寄りにもぜひ使ってみてほしい」と話す。

 今月中に発売予定。1組1万5000円(税抜き)。介護保険適用の福祉用具貸与商品にもなっている。連絡先は斎藤社長090(2880)4208。

Protect you - 地域に根ざした「福祉用具」「補助器具」の製品・アプリ開発

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