震災以降の日常詠む 石巻出身の歌人・嶋さん歌集、18日出版

18日に出版される嶋さんの歌集

 石巻市出身の歌人嶋稟太郎さん(33)=川崎市=が歌集「羽と風鈴」〔書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)、160ページ、2000円〕を18日に出版する。「読んで気持ちが落ち着くものが多い。見てくれた人が自身の体験や知識をベースに、共感できるところを探してほしい」と話している。

 嶋さんは石巻高、宮城大卒。現在は、東京にあるIT関係の会社に勤務しながら創作活動に取り組む。元々は詩を書いていたが、東日本大震災後は活動を一時休止。2014年に短歌と出合い、未来短歌会の16年度未来年間賞を受賞している。これまで、短歌同人誌や短歌結社誌への掲載はあったが、個人歌集を出すのは初めて。

 歌集「羽と風鈴」は251首からなる。「震災以降の日常の肯定」が詠まれている。

 <地上までまだ少しある踊り場に桜の花が散らばっていた>

 <ふるさとのわたしの部屋の窓からは北上川が見えていたっけ>

 <なだらかにななめに降りる堤防の左岸は白く夏草が咲く>

 嶋さんは「短歌と出合ったことで古里や震災と向き合えるようになり『今を歌う』ことを大事にしている。震災のことを直接詠んではいないが、震災を経て、日常生活の中で見て感じたものを表現している。読み方を固定せずに楽しんでもらえればうれしい」と話した。

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