閉じる

観念アートの先駆者・故松沢宥さんを紹介 石巻で作品展

松沢さんのパフォーマンスについて解説する守さん

 長野県下諏訪町を拠点に芸術活動を行い、20世紀の日本の現代アートを引っ張ったアーティスト、松沢宥さん(1922~2006年)を紹介する企画展が、石巻市中央1丁目のギャラリースペース「アートドラッグセンター」で開かれている。

 松沢さんは早大在学中に詩作を始め、卒業後に美術の世界に転身。55年に渡米し、帰国後に絵画やオブジェなどの創作を開始。64年からは概念芸術家として活動を始める。コンセプチュアル・アート(観念アート)の先駆者の一人で「日本観念芸術/概念派の始祖」として知られている。

 2月22日に生誕100年を迎えるに当たり、生前交流があった石巻市出身のアーティスト、守喜章さんが企画した。

 会場には1998年に愛知県佐久島のアートフェスティバルで行われたパフォーマンスを撮影した記録写真と使用された複写原稿など約10点を展示。64年以降、造形的なアートから文字をメインにした作品づくりをした松沢さんの当時の姿を写真を通して知ることができる。また、知り合いに送った何も書かれていないはがき「念画」といった貴重な作品も数点公開されている。

 2月19日には自宅でもある下諏訪町のアトリエ「プサイの部屋」の映像や生前、東京国立近代美術館にて行われたパフォーマンス映像を上映する予定。

 守さんは「知れば知るほど面白い人で、ずっと下諏訪に住み続けながら世界に作品を発表し続けて評価を受けた珍しい存在。アートの世界では有名だが、より多くの人に知ってもらいたい」と話す。

 アートドラッグセンターは土日の正午~午後6時に開館。企画展最終日の3月11日は平日開催する。

松澤宥展 1998年愛知県佐久島での出来事 - ART DRUG CENTER (2019~)石巻期

関連タグ

最新写真特集

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告、休刊日などについては、こちらのサイトをご覧ください

ライブカメラ