地域防災に役立てたい 兵庫などの高校生67人、石巻地方の被災地視察
兵庫県の高校生らが7日から10日まで石巻地方を中心に、東日本大震災の被災地を訪問した。石巻市の震災遺構旧大川小や東松島市野蒜、大曲地区などでの視察や講話で学んだことを持ち帰り、それぞれの学校、地域での防災に役立てる。
宮城訪問は兵庫県の中高生防災ジュニアリーダー育成事業の一環。兵庫県舞子高など6校の40人に三重、青森県の高校生も加わり、計67人が参加した。
8日は震災の津波で児童74人と教職員10人が犠牲になった大川小を視察。同日夜には同校6年生だった長男大輔さん=当時(12)=を亡くした今野浩行さん(59)と妻ひとみさん(51)の講話に耳を傾けた。
浩行さんは「学校管理下で多くの児童が犠牲になったのは被災地で大川小だけ。マニュアルはあっても、しっかりした実施、確認、処置がされていなかった」と指摘。「訓練は続けることで精度が上がり、命を救う」と話した。「災害は多様化している。事前の訓練、知識が大切。人の命を守れる体制づくりなど、これからの皆さんに期待します」と呼び掛けた。
さらに「生きていなければ他の人の命は救えない。まず自分が助かること。命が助かる行動をしてほしい」と訴えた。ひとみさんも「(研修で)聞いた話を精いっぱい役立てて、救える命を救ってほしい」と話した。
神戸甲北高1年の萩原皐介さん(16)は「(地元に戻ったら)命の重さ、守ることの大切さをしっかり伝えたい」と話した。
9日は東松島市野蒜の防災体験型宿泊施設「KIBOTCHA(キボッチャ)」や大曲浜地区を訪ねた。
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