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石巻圏域定住自立圏構想、11年ぶりに協議再開 3市町連携で策定

 石巻、東松島両市と女川町は、近隣自治体が連携して圏域の人口流出を食い止める「石巻圏域定住自立圏構想」(※)の協議を約11年ぶりに再開した。2009年度から検討を進めていたが、最終的なビジョン策定を目前に東日本大震災が発生し、凍結していた。震災による環境変化も踏まえ、圏域の目指す将来像や連携体制を改めてまとめる。

 石巻地方の定住自立圏構想は、石巻市が10年2月、中心的役割を担う「中心市」を県内で初めて宣言した。同年10月に東松島市、女川町とそれぞれ協定を締結。具体的な事業をまとめた共生ビジョンの策定を進めていたが、最終案の決定直前に震災が発生した。

 甚大な被害を受けた3市町は復旧・復興事業を優先するため手続きを中断。各市町の震災復興基本計画が20年度までに終了したことから再開を決めた。

 3市町の首長と議長でつくる「石巻圏域定住自立圏形成推進会議」が13日、石巻市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)で開かれ、来年3月に共生ビジョンを策定し、23年度の事業開始を目指す方針などを申し合わせた。

 斎藤正美石巻市長は「圏域全体の活性化と魅力あふれる地域づくりには一層の連携が不可欠だ」と強調。渥美巌東松島市長は「財政的な利点がある。スピード感を持って進めたい」、須田善明女川町長は「各市町の役割が良いバランスになるよう議論していきたい」とそれぞれ述べた。

 震災の影響を反映させ、石巻市は今年6月をめどに中心市宣言の内容を変更する方針。東松島市、女川町との協定も必要に応じて変更する。ビジョン策定に向けては民間や地域の関係者で構成する懇談会を設置する。

(※)定住自立圏構想:人口減少と少子高齢化を見据え、人口4万人超の「中心市」と周辺市町村が連携し、医療福祉や産業などの生活機能、公共交通や観光などのネットワーク、人材育成などの強化を図る総務省の制度。共生ビジョンを策定すれば中心市に上限年8500万円、周辺市町村に各1800万円の特別交付税配分など財政支援がある。県内では大崎市と色麻、加美、涌谷、美里の4町が形成している。

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