パワーリフティング 女川出身の怪力高校生、120キロ級で全国挑む
女川町出身の東北学院高3年佐藤陽太郎さん(18)が2月27日に兵庫県明石市で開かれる「第27回ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会」の120キロ級に出場する。デビュー戦となった昨年11月の第54回県大会で標準記録を大幅に上回って優勝し、出場権を獲得した。
競技を本格的に始めてわずか6カ月。「古里の人たちに少しでも喜んでもらえるよう頑張りたい」とさらなる飛躍を誓う。
佐藤さんは柔道5段の父誠一さん(62)の影響で小学3年生から女川柔道スポ少で柔道に取り組み、東北学院中2年の時に県新人大会60キロ級で優勝した。学院高時代も第43回全国柔道選手権大会県大会無差別級で3位、昨年6月の第70回県高校総合体育大会100キロ級でも準優勝を飾るなど県内トップクラスの実力を誇った。
佐藤さんにとってバーベルなどの道具は身近な存在だったという。トレーニング指導士の資格を持つ誠一さんの助言もあり、数年前から柔道のレベルアップを図るため、筋トレなどに励んでいたことも大きい。
柔道部引退後、利府町の民間ジムに通って本格的にパワーリフティングを始めた。身長162センチと小柄ながら柔道で培った強靱(きょうじん)な下半身と体幹の強さを武器にめきめきと頭角を現した。
昨年11月の選考会を兼ねた県大会では105キロ級に出場。一般、大学生を相手にベンチプレス、スクワット、デッドリフトの3種目で標準記録を50キロも上回る計555キロを記録した。最年少ということもあり、大会関係者を驚かせた。
佐藤さんは「ジャパンクラシックではトータル600キロ突破を目標にしたい」と意欲を語る。
4月から東北学院大文学部に進学する。柔道はやめてパワーリフティング一本に絞る予定だ。ジャパンクラシック後には6月に青森県で開催予定の北海道・東北ブロック選抜大会も控える。「優勝を目指してトレーニングに励みたい」と決意も固い。
女川町スポーツ協会は23日、町まちなか交流館ホールで町スポーツ少年団本部と合同で開く2021年度表彰式で佐藤さんに体育奨励賞を贈り、活躍をたたえる。