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石巻圏・新百景>カーシェアリング(石巻市のぞみ野)

通院のため車に乗り込む男性(左)とボランティアドライバー。個人利用だけでなく送迎などの支援、複数人での買い物や旅行にも使われる
寄付車はアルパカをモチーフにしたステッカーが目印。約240台あり、災害の被災地や生活困窮者らへの貸し出しにも活用される

<被災地発の取り組み、支え合い生む>

 東日本大震災に伴う集団移転先として整備された石巻市のぞみ野地区。ボランティアの男性が運転する車に住民男性が乗り込み、市内の病院へ向かった。

 地区では寄付車を共同利用する「コミュニティ・カーシェアリング」が行われている。同市の日本カーシェアリング協会のサポートを受け、住民による「カーシェア会」が運営。費用を負担し合って買い物や通院、外出支援に活用する。

 取り組みは2011年7月に同市流留の仮設住宅で始まり、市内を中心に40カ所に波及。被災者の生活の足となり、住民のつながりもつくった。現在は市内11地域のほか県外でも実践される。

 「困っている人が助かり、協力する人も生き生きしている。寄付車を活用し世の中を良くする流れを広めたい」と協会の吉沢武彦代表理事(43)。最大被災地で始まった支え合いの仕組みはコミュニティーを生み、全国で生かされていく。

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