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合唱歌に古里愛する思い込める 全校生徒42人で作詞作曲 石巻・北上中

地区住民に歌を披露する生徒たち=2021年12月、市北上総合支所

 石巻市北上中の全校生徒42人が合唱歌「輝(ひかり)~ふるさとを照らして」を作詞、作曲した。古里を愛する生徒の思いが詰まった4拍子のしっとりした曲調。生徒たちは「北中ソングとして歌い継がれるよう機会を見つけて披露したい」と意気込んでおり、3月8日の卒業式でも歌い上げる予定だ。

 合唱歌の制作は、新型コロナウイルスの影響で合唱の授業時間を十分取れない中、音楽担当の中沢麻里教諭が創作に力を入れたことがきっかけ。2020年9月には今の3年生15人が絵本「はかりんぼうや」の歌に曲をつけた。中沢教諭は「出来栄えも良く、第2弾は全校生徒の参加を考えた」と振り返る。

 生徒たちから集めた言葉(単語)をつなげて歌詞にして、タブレットを使い作曲した。編曲はピアノ伴奏のみで中沢教諭が担当した。

 歌詞には北上川やヨシ原などの原風景を織り交ぜながら「丘の上の学び舎(や)に響く笑い声」など学校生活を描写。生徒たちの古里に対する熱い思いや、共に進む仲間たちとの「友情」などをモチーフにした。

 昨年10月の文化祭で保護者らを前に初披露。12月22日には市北上総合支所で住民約100人を前に、さだまさしさんの「いのちの理由」とともに「輝…」を心を込めて歌い上げ、大きな拍手が送られた。

 卒業を間近に控えた3年千葉春芽さんは「中学生活の良い思い出になった。これから大事に歌ってほしい」と後輩たちにエールを送る。中沢教諭も「生徒たちが時間をかけて作った大切な歌。北中ソングとして親しんでもらえれば」と、今後に期待を寄せる。


「輝~ふるさとを照らして」 
 川瀬まばゆい 北上川の 流れゆく街に 僕らは生まれ
 川沿いに続く道は まるで 僕らの軌跡のよう
 波の音 寄り添う緑 ヨシ原広がる この街に生まれ
 さわやかに 吹き抜ける風が 僕らの思いを運ぶよう
 丘の上の学び舎に響く笑い声 笑顔の数だけ 未来がある
 時に未来がすさんで見えても 共に進む仲間がここにいる
   帰り道 見上げた空に 赤く染める夕日が心を照らすよ
   帰り道 見上げた空は どこまでも果てしなく続いてる
 北上のかおり いつまでも 忘れない

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