三陸道・利府中-鳴瀬奥松島 大型車の無料化、県に要望 石巻地方3市町と松島町
石巻地方3市町と松島町の首長は、県道路公社が管理する仙台松島道路(三陸沿岸道利府中-鳴瀬奥松島インターチェンジ間18.3キロ)の大型車の通行料無料化を県に要望した。
要望書は、昨年12月の八戸市までの全線開通を追い風に、三陸沿岸道を最大限に活用することで(1)沿岸部への企業誘致を促し、人口減少対策につながる(2)日本三景・松島の中心部を通る国道45号の大型車流入を解消し、観光地の混雑を緩和できる-と強調。
4人の首長が19日、県庁を訪れ、斎藤正美石巻市長が佐野好昭副知事に要望書を手渡した。佐野副知事は「松島町中心部への大型車の流入抑制に向け、利府街道への迂回(うかい)と併せて、仙台松島道路の活用も一つの手段として社会実験を検討している」と説明。
その上で、仙台方面に向かう車両で渋滞が常態化している鳴瀬奥松島インターチェンジ(IC)について、混雑解消のため降り口の改良工事を実施する予定を説明した。2022年度内の完成を目指す。
渥美巌東松島市長は「仙台へ向かう有料区間を利用しやすくなれば、担い手不足が深刻な運送業界の働き方改革につながる。観光バスでの被災地視察も増え、交流人口の拡大が図れる」と期待を寄せる。
三陸沿岸道は鳴瀬奥松島IC以北は国土交通省、利府中IC以南はネクスコ東日本が管理している。