教員らの不足顕著 石巻圏人材育成推進協、課題解決へ意見
石巻圏域保育・教育人材育成推進協議会が1月24日、石巻専修大で開かれ、保育・教育の課題について、出席者がそれぞれの立場から意見を述べた。教員、保育士らの人材不足に加え、不登校や学力不足などが浮き彫りになり、改めて人材育成や課題解決に向けての対応が急務であることが明らかになった。関係者ら約20人が出席した。
石巻市の宍戸健悦教育長は「人手不足が顕著。欠員が出ても代わりを見つけかねている」と、厳しい状況を説明した。
女川町の村上善司教育長も「コロナ禍でいろいろな面で苦慮している。やはり人材不足が大きい」と、同様の意見を述べた。
東松島市の志小田美弘教育長は、県内の教員の採用数は微増としつつ「体調を崩す教員が若干増えたような気もする」と、人材不足の背景を分析した。
人材育成では「教員になりたい、なるという声が少なくなっている気がする」との意見があり、生徒に対する声掛けを通して教員への意識付けの必要性を説いた。
オブザーバーを務めた県東部教育事務所の担当者は、新たな課題として不登校や学力不足について言及。「来られない子どもが悪いのではない、環境が悪い。学力に関しても救いの手を差し伸べれば頑張る子もいる」と力説し、理解を求めた。
不登校や学力不足の子どもの対処法では「できるだけ温かい言葉をかける。一人一人の子どもを見るテクニックを身に付けて、見逃さない」と、現場への奮起を促した。
協議会は、保育・教育・文化関係の人材育成を推進するのが狙い。石巻専修大(保育士・教員養成センター)の学生が拠点校・協力校への教育支援を行う一方、拠点校・協力校による学生の現場実習への協力や教育実習への指導などを通して教員、保育士の育成に尽力している。
拠点校・協力校と連携した研究や教育の推進の一環として「教師力向上セミナー(いしのまき教師塾)」も開催している。
こうした地道な活動が奏功し、同大から教員、保育士となる学生が巣立っている。本年度(2021年12月現在)は、小学校教諭が5人、公立の保育士・幼稚園が3人、私立の保育士らが12人などとなっている。