閉じる

石巻・桜坂高生、タイの高校生とネット交流 時間も忘れ意気投合

オンライン画面。タイの高校生ら(右上)と日本語と英語、タイ語で交流した
モニター越しにタイの高校生との会話を楽しむ桜坂高の生徒たち

 石巻市桜坂高で2年の生徒5人と日本語を学ぶタイの高校生16人によるオンライン交流会があった。日本語を中心に英語やタイ語も交えて教員らがフォローしながら、学校や地域、趣味といった話題を共有。新型コロナウイルス禍で行動が制限される中、異国の若者同士が交流を深めた。

 タイの生徒はあらかじめ撮影した動画で学校生活を紹介。南国らしいカラフルな色合いの校舎内が映し出された。食堂の人気メニューはカレーやラーメンといい、日本の高校生との共通点を見つけた。

 続いて桜坂生は日本の文化、石巻の自然や特産の食べ物について説明した。雪を見たことがないというタイの生徒からは「雪はおいしいのか」との質問。慌てて食べてはいけないことを伝え、雪に憧れるタイの高校生に「エンジョイ雪」と呼び掛け、笑顔も送った。

 6歳で被災した東日本大震災の記憶も語った。生徒の一人が友人を亡くしたことに触れ「どれだけ人の命が大切か分かった。一緒にいる友人、今ある幸せを大切にしてほしい」と訴え掛けると、タイの生徒たちはチャットに書き込む手を止め、沈痛な表情でじっと聞き入っていた。

 1時間の予定だった交流は気付けば2時間余りに。当初どちらも緊張した様子だったが、好きなアニメや訪れたいテーマパークといった10代らしい話題も出て、徐々に打ち解けた。

 最後は無料通信アプリLINE(ライン)の連絡先を交換して継続的な交流にしようと約束、通信を終えた。

 海外の人との交流に興味があって参加したリーダーの熊谷理帆さん(17)は「英語やタイ語を勉強して先生を介さず直接話せるようになりたい。そしていつか実際に会ってみたい」と顔をほころばせた。

 交流会は1月19日にあった。認定NPO法人「Switch(スイッチ)」(本部仙台市)で活動し、現在は国際交流基金日本語パートナーズタイに所属する杉山伸一さんが仲立ちをして実施された。

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告などについては、こちらのサイトをご覧ください ≫

ライブカメラ