奥州仕置、意義を再評価 石巻市博物館でテーマ展 来月21日まで
石巻市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)内にある市博物館で、テーマ展「奥羽仕置と石巻」が開かれている。3月21日まで。
「奥羽仕置」は1590年、豊臣秀吉により断行された奥羽大名・領主に対する処分や配置換えなどの諸政策。この仕置に対し、各地で一揆が勃発した。翌91年、一揆鎮圧のため豊臣政権は武力で平定、仕置をやり直すという「奥羽再仕置」が行われた。
市博物館の常設展示室には、かつての石巻を所領とし、豊臣政権に抵抗した葛西晴信と、秀吉から仕置を任された伊達政宗の黒印状や文書を公開。仕置軍と葛西軍が戦った「深谷の役」の解説、戦った武士の墓の写真も紹介している。
昨年は奥羽再仕置から430年という節目の年。仙台市をはじめ秋田県を除く東北地方や栃木、新潟両県の施設でも地方ごとに関連史料を公開した。
市博物館の担当者は「石巻に住んでいる人も新たな発見があるかもしれないので見に来てほしい」と呼び掛ける。
展示室内の「石巻にゆかりの先人たち」コーナーでは「中世史研究者大石直正と石巻」も開催。東北学院大名誉教授などを務め、昨年亡くなった大石氏の旧蔵書の一部を紹介。市史「石巻の歴史」の編さん史料や「中世奥羽の世界」刊行の関連史料などを見ることができる。
開館は午前9時~午後5時(最終入館は午後4時半)。休館日は毎週月曜(当日が祝日の場合は翌日)。観覧料(常設展)は一般300円、高校生200円、小中学生100円。連絡先は石巻市博物館0225(98)4831。