閉じる

3.11追悼 竹灯籠で石巻市旧大川小照らそう

竹灯籠に使うために切り出した竹=1月30日、石巻市針岡地区
池田さん(手前左から2人目)の指導を受け、竹あかりを制作する参加者=8日

 東日本大震災から丸11年となる3月11日、津波で犠牲になった石巻市旧大川小児童の遺族らが、手作りの竹灯籠を使った追悼行事を旧校舎そばで開催する。児童74人、教職員10人の犠牲者数と同じ84本の竹筒に意匠を施し、明かりをともす。甚大な被害を受けた大川地区に根付く新たな行事にしようと、関係者らが準備を進めている。

 遺族らでつくる「大川竹あかり実行委員会」が企画した。当日は旧校舎西側の広場に発光ダイオード(LED)電球で光る竹灯籠を設置する。午後5時半に点灯し、遺族や地域住民、訪れる人々が犠牲者に追悼の祈りをささげる。

 竹に穴を開けて明かりをともす「竹あかり」を全国各地で手掛ける竹あかり演出家の池田親生(ちかお)さん(39)=熊本県南関町=が灯籠の配置やデザインを担当。未来と過去、天と地をつなぐ願いを込め、高さ約5メートルの竹を中央に置く。周りを取り囲むように短い竹灯籠を84本並べる。

 池田さんは「全国の竹あかり制作者から灯籠のデザインを集め、84本の一つ一つに個性を感じてもらえるようにしたい」と言う。

 遺族らは1月30日、大川小に近い針岡地区の山林で材料となる竹を切り出した。今月8日には池田さんが大川小を訪れた後、針岡地区で竹あかりの制作工程を遺族ら約15人に説明。竹の長さを整え、さまざまな大きさの穴で描く柄を一本ずつドリルで掘った。

 実行委の共同委員長を務め、大川小6年だった三男雄樹君=当時(12)=を津波で失った佐藤和隆さん(55)は「震災で亡くなった人の鎮魂や災害への備えを伝える地域の行事として5年、10年と続けたい」と説明。「できるだけ多くの人に竹あかり作りに参加してもらい、震災のことを思い出すきっかけにしてほしい」と語る。

 実行委は3月6日までの毎週日曜日、竹あかりの制作ワークショップを開く。希望者は無料で参加できる。連絡先は大川竹あかり実行委員会080(3337)6779。

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告などについては、こちらのサイトをご覧ください ≫

ライブカメラ