震災遺構大川小の在り方探る 卒業生ら団体設立「教訓伝えたい」
東日本大震災で児童74人、教職員10人が犠牲となった石巻市の旧大川小の卒業生らが13日、市の震災遺構となった校舎の保存の仕方や教訓をどう伝えていくかを考えようと、任意団体「Team大川未来を拓(ひら)くネットワーク」を設立した。市河北総合センターでメンバーが活動への決意を語る会が開かれた。
震災当時大川小5年だった代表の只野哲也さん(22)があいさつし、「大川小がより良い学びの場になると同時に、遺族が静かに手を合わせられるような配慮が必要。多くの方と交流し、大川小に必要なことを考えたい」と述べた。
団体発足までの経緯が説明された後、メンバー4人が思いを語った。只野さんは「一人でも多く未来の命を救うため、大川小の出来事や教訓を伝えていきたい」と話した。
震災当時大川小5年だった今野憲斗さん(22)は「大川小を知ってもらうため、SNS(会員制交流サイト)を使って情報発信したい」と述べた。
震災当時大川中1年だった尾形響聖さん(24)は、大川小に通っていた弟と妹を失った。「それぞれの考えや思いを話し合えるようなコミュニティーの場をつくりたい」と語った。
会には市震災伝承推進室の担当者も参加。メンバーが昨夏、広島市の原爆ドームなどを訪れた様子も紹介された。
只野さんは卒業生らでつくる「チーム大川」の一員として大川小の保存を訴える活動に取り組んできた。校舎は市震災遺構「大川小」として整備され、昨年7月から一般公開されている。