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ビーチコート、今夏開場 12年ぶり 東松島・野蒜海水浴場

12年ぶりに海水浴場が開設される野蒜海岸

 東松島市の野蒜海水浴場が今夏、12年ぶりにオープンする。石巻地方最大の砂浜はかつて家族連れやマリンスポーツを楽しむ若者らでにぎわった。今年からはビーチスポーツ用区画が新設されるとあって、地元愛好者らから歓迎の声が上がっている。

 東日本大震災の津波で野蒜地区全体が甚大な被害を受け、海水浴場は休止を余儀なくされた。以前は海岸中央部の「第1海水浴場」と、「松ケ島海水浴場」と呼ばれた西側の「第2海水浴場」から成り、年間約4万人以上が訪れる県内有数の観光地だった。

 開設は2010年の夏以来、約12年ぶり。市は昨年のオープンを目指したが、周辺で防潮堤と県道の整備工事があり、工事車両の往来による危険性に加え、新型コロナウイルス感染拡大防止の両面から見送った。

 海岸西側の約100~200メートルが使える見込みで、市による浜の清掃と海洋調査の結果で前後する。夏には地元団体と連携した海の家の開設も予定する。

 新設のビーチスポーツ区画は、ビーチテニスとビーチバレーの兼用コート8面を整地する。両競技のコート面積は縦16メートル、横8メートルと共通だが、テニスは公式大会も開催できる。

 コートの整備は地元出身の愛好者からの要望がきっかけだった。同市小野出身で、日本ビーチテニス連盟県支部長の鹿嶋寛英さん(53)=仙台市=は「生まれ育った地域に競技場を作りたいと思って働き掛けてきた。地元の方々が昔のように海を楽しめたらうれしい」と話す。

 鹿嶋さんは17年にクラブ団体「ビーチテニスクラブ東北」を設立。同年、連盟から県支部としての承認を受けた。現在は深沼海水浴場(仙台市)を拠点に約50人の会員と練習会を開くほか、全国大会の開催にも携わる。

 鹿嶋さんは「整備してもらうコートなら立派な大会が開ける。野蒜で今年中にでも全国規模の大会を開催したい」と意欲を見せた。

 整備を心待ちにしていた地元団体「東松島ビーチテニスクラブ」からは喜びの声が上がった。野蒜地区での活動を目指して19年に発足したが、工事の影響などで主要な練習場所は同市宮戸の大浜に移った。

 関口英樹代表(53)=東松島市新東名=は「いつかは野蒜で練習したいと思いながら活動してきた。クラブのホームグラウンドとして活用させてもらいたい」と期待を込めた。

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