牡鹿半島、食でつながるサルとシカ 石巻専修大・辻准教授が解説
石巻市の一般社団法人鮎川まちづくり協会が牡鹿半島の自然や文化・歴史を発信するシリーズ講座の一つ「おしか大学/与えるサルと食べるシカ」が2月27日、同市中央2丁目のIRORI石巻であった。
金華山をフィールドにニホンザルの生態学を研究している石巻専修大の辻大和准教授が講師を務めた。「サルと植物」「サルとシカ」といった島の生き物のつながりを解説した。
「サルは植物を食べるだけでなく排せつすることで種を運ぶ。食物のある場所がサルの生活パターンをつくる」と両者の関わりを説明。シカとの関係では「サルが木の上で動くことで落ちてきた実をシカが捕食している。確実に食べられる知恵だ」と話した。
金華山はシカの生息密度が高く、若い木が育たない状況が続く。一方、トゲのあるサンショウやアザミ、食べられるとその分だけ大きくなる力を持つシバが残り「ゴルフ場のような景観ができている」と説明。
「あまり木から降りないサルたちも芝生で遊んだり、刺激があるサンショウの実を食べたりしている。シカによる植生の変化がサルの生活にも変化をもたらしている」と話した。
シリーズ講座の本年度最終回は3月6日。長年鮎川の風景を写真に収めてきた鹿井清介さんの案内で鮎川を散策する。午前10時に牡鹿半島ビジターセンター集合。定員10人。無料。事前申込が必要。連絡先は同センター0225(24)6912。