閉じる

イヌワシの雄姿、間近で 石巻・川のビジターセンターに剥製展示

展示されているイヌワシの剥製

 石巻市北上町十三浜の石巻・川のビジターセンターは、国の天然記念物で石巻地方でも生息が確認されているイヌワシの剥製展示を始めた。絶滅危惧種にも指定されている。環境省が酒田市に設置する猛禽(もうきん)類保護センター「鳥海イヌワシみらい館」から貸与を受けた。

 剥製は、正面玄関を入ってすぐの場所に展示されている。眼光するどい姿でアクリルケースに収まっている。体高は約50センチで、羽を広げると差し渡し180センチほどと推定できるという。一般の人から保護センターに寄贈されたもので、確保場所や時期など詳しい来歴は不明という。

 専門家によると、羽に白い部分が残ることから、成鳥一歩手前の若鳥で、雌の可能性が高いという。成鳥になると、首の後ろが黄金色に変化し、その様子から英語ではゴールデン・イーグルと呼ばれる。

 イヌワシは旧北上町のシンボル。1955年、北上地区と登米市津山町にまたがる翁倉山(531メートル)の中腹で、イヌワシの繁殖巣が東北で初めて確認されたことに由来する。

 2021年9月、南三陸ワシタカ研究会(南三陸町)の会員が石巻市内で雄のイヌワシ1羽を確認しているが、近年は見掛ける数が減っているという。

 ビジターセンターの岡田葵さんは「イヌワシは北上地区が豊かな自然に恵まれている証拠。訪れる人にぜひ知ってもらいたい」と話す。今後はイヌワシに関する資料や写真なども集め、展示を充実させていく。

 石巻・川のビジターセンターの休館日は原則毎週火曜日。入館は午前9時~午後4時半。連絡先は0225(24)6506。

石巻・川のビジターセンター
石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告などについては、こちらのサイトをご覧ください ≫

ライブカメラ