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JFL昇格へキックオフ コバルトーレ女川・中村雅昭新監督に聞く

中村雅昭(なかむら・まさあき)氏 1988年11月、広島県出身。2012年からアルビレックス新潟シンガポールでスクールコーチ・ジュニアユース監督を務め、15年から同トップチームにスタッフとして帯同。翌年からは地元に軸足を移し、アンジュヴィオレ広島、広島八幡FCジュニアユースで指導経験を積んだ。19年からヴィッセル神戸サッカースクールでコーチ。今年2月にクラブに合流した。
練習で選手とコミュニケーションを深める中村監督(コバルトーレ女川提供)

 東北社会人サッカーリーグ1部のコバルトーレ女川で、新監督に中村雅昭氏(33)が就任した。アルビレックス新潟シンガポールやなでしこ1部のアンジュヴィオレ広島のスクールやジュニアユースで指導。昨季まではJ1神戸のスクールでコーチを務めるなど、多様なステージで選手の育成に携わってきた。今季の日本フットボールリーグ(JFL)昇格と将来的なJリーグ参入を目指すコバルトーレ。新指揮官に意気込みを聞いた。(聞き手は漢人薫平)

-前任地の神戸から女川に来た経緯は。

 「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(SCL)の決勝戦出場やJFL加入があり、クラブのことは知っていた。共通の知人がいる上野敦也コーチから電話で打診を受けた。指導者としてのステップアップを考え、社会人サッカーという勝負の世界で力を振るってみたいという思いから挑戦を決めた」

-女川町の印象は。

 「東日本大震災という前提はあるが、自然と街のきれいさが印象的だった。特にシーパルピアの建物や見晴らしのいい景色、地域の人が何げなくあいさつしてくれる点が気に入っている。人工芝のピッチやスタジアムもあり、とても環境に恵まれたと思う」

-チームの印象はどうか。

 「トレーニングの序盤から、全員が高いテンションで参加してくれた。前向きで明るく、阿部裕司GM(前監督)が作り上げてきた雰囲気だと感じた」

-どんなサッカーをしたいか。

 「これまでのポゼッションサッカーを継承し、より攻撃的なサッカーを突き詰めたい。ボールの持ち方やポジショニング一つ取っても、選手の意識やレベルの高さを感じる。ボール占有時間を増やし、常に攻撃し続けるチームにしたい」

-現状での課題は。

 「ボールを持ち続けるためには守備の強度が重要。相手陣形を広げ、ボールを奪われてもすぐに反応できるようにしたい。フォーメーションでは攻撃時に相手コートで数的有利を取れる3-4-2-1がベースになると思うが、あくまで手段の一つと考えている。開幕までに選手らと最適解を模索したい」

-これまでの指導経験をどう生かす。

 「ジュニアやスクールでは、サッカーが好きな気持ちをくすぐってあげながら指導していた。社会人として続けている選手たちであれば、好きな気持ちという根っこは同じ。あとは積み上げてきたプレーや価値観に敬意を払いながら、コミュニケーションを通して自分の考えとすりあわせていく」

-新監督としての目標は。

 「サポーターやスタッフを含め、シーズンの終わりにチーム全員が幸せになっているようにする。その結果をつかむためには、JFL昇格をつかむことが一番大事だ。ただ試合で勝つだけでなく、地域に根ざした活動にも力を入れたい」

-今シーズンの意気込みとサポーターへの言葉を。

 「みなさんに喜んでもらえろうよう、魅力的かつ攻撃的なサッカーをし続ける。さらに地域のイベントなどで地域の人に還元できる活動もしていきたい」

「Jリーグ百年構想クラブ」に認定

 コバルトーレ女川は2月28日、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が開いた理事会で「Jリーグ百年構想クラブ」に認定された。将来の目標にJリーグ(J3)参入を据えるクラブにとって、認定は参入条件の一つであり、最初の関門でもある。

 百年構想クラブは、JリーグがJ3参加を目指すクラブを認定する制度。リーグによる書類審査やヒアリング調査などを経て、数々の規定を満たしたクラブが認定される。

 コバルトーレは昨年11月に申請。理事会で東京23FC、高知ユナイテッドSC、沖縄SVとともに認定を受けた。全国で計14チームが認定を保有し、東北の認定クラブはJFLのラインメール青森と合わせて2クラブとなった。

 認定クラブは、リーグのサポートを受けながらJ3参入に向けた準備を行う。JFLリーグ戦最終順位が4位以内かつ、JFLの百年構想クラブのうち、上位2クラブに入ること。平均入場者数などの条件をクリアするとJ3への参入を認められる。

 チームを運営するコバルトーレの近江弘一社長は「承認は地域の皆さまやスポンサーの方々、多くのサポーターのお力添えに寄るもの。小さな地域からJリーグ参入の先駆けとなるクラブを目指していく」とコメントを出した。

Jリーグ百年構想クラブ 認定 | コバルトーレ女川

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