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イワガキ「3年もの」初水揚げ 被災乗り越え栽培再開 宮城水産高

イワガキを水揚げする生徒ら

 宮城水産高は、石巻市前網浜沖で育てたイワガキを水揚げした。東日本大震災後に中止していた栽培を3年前に再開し、今回が「3年もの」として初めての水揚げとなった。

 海洋総合科生物環境類型3年生8人のカキ班が県漁協寄磯前網支所の協力を得て稚貝から育成。2月24日にあった初水揚げ作業には生徒3人が参加した。漁業者の手ほどきを受けながら前網浜の沖500メートルにある養殖場から約300キロを水揚げした。

 水揚げしたイワガキは選別し、全体の3分の1に当たる約200個を石巻魚市場に出荷した。石巻市や仙台市の仲買人が1個250円から350円とまずまずの値段を付けた。

 指導した鈴木秀一主幹教諭は「成育は順調で実入りも良かった」と話す。イワガキの旬は夏場に向かって続くため、マガキ養殖と組み合わせることで、カキ養殖の周年操業につなげる目的がある。

 同校では石巻地方でのイワガキ栽培定着化の道筋を探るため、1997年に養殖を開始。2010年に約700キロを水揚げし、石巻魚市場に出荷している。しかし11年は垂下したばかりのものを含め、全てが震災の津波で流失。漁業再建が最優先される中、栽培実証実験を自粛してきた。

 19年に栽培を再開し、その後は毎年後輩に引き継ぐ形で作業を続ける。鈴木主幹教諭は「震災を乗り越え、地元水産高としてやるべきことを模索していく」と話した。

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