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「慈愛」砂像前で黙とう 犠牲者思い伝承誓う 東松島・キボッチャ

献花台に花を手向け、手を合わせる参列者

 東松島市野蒜の防災体験型宿泊施設「KIBOTCHA(キボッチャ)」で11日、敷地内の旧野蒜小体育館跡に献花台を設けた追悼式があった。砂の彫刻家で東松島市地域おこし協力隊員の保坂俊彦さんが制作した「慈愛」をテーマにした大型砂像や、市内での犠牲者数と同じ1133本の竹筒に明かりをともす「竹あかり」を設置した。

 午後2時46分に献花台前に集まった約50人が黙とうした。震災当時、この場所で被災した防災士の山県嘉恵さん(54)が「生きている私たちができるのは犠牲者を思い続け、伝承すること。これからもたくさんの人に支えられ今日があることに感謝して、苦しんでいる人と一緒に歩んでいきたい」と思いを語った。

 参列した人は献花台に花を手向け、亡き人の冥福を静かに祈っていた。旧野蒜小体育館跡での追悼式は地元住民からの要望を受け、昨年始まった。