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卒業記念に 東松島の業者ら木製写真立て寄贈 石巻・万石浦小、渡波小

贈られた名前入りの写真立て
記念撮影に応じる万石浦小の卒業生と(前列左から)太田文子校長、林田社長、遠藤社長

 林田順平商店(大阪市浪速区)の林田元宏社長と木の創作・木遊木(東松島市大塩)の遠藤伸一社長が10日、石巻市万石浦小(児童273人)と渡波小(同297人)を訪れ、100年は腐らないとされるインドネシア・ボルネオ島産の「ウリン材」を使った写真立てを卒業のお祝いとして6年生計105人にプレゼントした。ローマ字で卒業生一人一人の名前を入れた心温まる贈り物に感謝の声が相次いだ。

 万石浦小では6年生約60人が体育館に集合。林田社長が「世界で一個しかない名前入りの写真立てです。思い出を大事にして使ってください」とあいさつし、手渡した。

 遠藤社長が制作した写真立ては端材を有効利用した赤茶色。L判の写真が入る大きさで黒のファーストネームを入れた。昨年10月下旬に卒業制作として木製のベンチ作りに取り組んだ時の集合写真も一緒に贈った。

 木村真凡梨さんは「写真立てに自分の名前が入っているなんてびっくり。うれしいです」、山下歩純君は「腐らないというのがすごい。卒業前の良い思い出になりました」と感想を話した。

 贈呈式に先立ち、林田社長の特別授業もあった。

 林田社長はウリン材の特徴に加え、地球温暖化がもたらす森林火災、台風、氷河の溶解、海面上昇などを説明。廃プラスチック、マイクロプラスチップ、食品ロス、SDGs(国連が掲げる持続可能な開発目標)といった問題にも触れ、警鐘を鳴らした。

 児童には「(材料として)捨てたのを使うのに意義がある」と語り「過去は変えられないが、未来は変えられる。皆さん自身が未来を変えてください」と呼び掛けた。

 東日本大震災後、支援活動を続ける林田社長らは昨年10月末に渡波小、万石浦小を訪問。6年生の卒業制作としてウリン材を使った後輩たちのためのベンチ作りにも一緒に取り組んだ。

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