社説(3/18):宮城、福島で震度6強/連鎖要警戒 防災対策点検を

 東北をまたも激しい揺れが襲い、11年前の記憶が呼び戻された。

 今後1週間ほどは同程度の地震が起きる可能性があり、警戒を緩めてはならない。東日本大震災以降、被災地は防災・減災で知見を積み上げてきた。かけがえのない教訓を生かしたい。

 震源は福島沖で、地震の規模はマグニチュード(M)7・4だった。登米市、宮城県蔵王町、福島県国見町、相馬市、南相馬市の5市町で震度6強を観測した。石巻港で30センチ、仙台港や相馬市で20センチの津波を確認した。

 発生2分前には、同じ震源域で最大震度5弱の地震が起きた。周期の長い「長周期地震動」も発生し、関東や中部、関西など広い範囲で揺れたのが特徴だ。東京都内や横浜市内など大きな構造物が多い首都圏で一時停電したのは、この影響とみられる。

 津波注意報は5時間ほどで解除され、大きな被害をもたらさなかったことは幸いだ。

 一方、交通インフラは実害が生じた。東北新幹線福島-白石蔵王間で乗客を乗せた列車が脱線した。東北自動車道は白石市の下り線で約50メートルにわたって地面にひびが入り、通行止めになった。特にこの数日は規模の大きな地震が懸念されており、復旧作業の遅れが心配される。

 地震のメカニズムに目を向ける必要がある。

 東北地方付近では太平洋プレートが陸のプレートとの境界に当たる日本海溝から日本列島の下に沈み込んでいる。今回の震度6強の地震は太平洋プレート内部で断層が破壊されたのが原因とされる。

 11年前の3月11日の大地震(東北地方太平洋沖地震)はこのプレート境界で、沈み込みに伴ってたまったひずみが解放され、太平洋プレートが跳ね上がって起きた。

 その2日前には今回と同規模のM7・3の地震がプレート内部で発生していた。

 問題は11年前と同様、今回の震度6強はより大きな地震の「前震」なのかどうかだ。

 2分前に発生した地震が次の地震を誘発した可能性がある。気象庁は「今後より大きな地震が発生するかは分からないが、震災とは少なくとも違う状況だ」と説明するが、大きな地震が連鎖する恐れを指摘する専門家もいる。

 今回の震源付近では昨年2月13日にM7・3、最大震度6強の地震があった。その時も沈み込む太平洋プレート内部の地震だった。

 プレート境界にたまり続けるひずみは一度に解放されない。今回の震源を含む青森県東方沖~茨城県沖の太平洋プレート内部で起こる地震は、今後30年で発生確率が最も高いランクに位置付けられてきており、警戒は解けない。

 食料や医薬品を備蓄しているか。高齢者ら要支援者の避難先は確保されているか-。被害を最小限に抑えるすべをいま一度、点検したい。

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