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最大震度6弱 石巻地方各地に爪痕 津波30センチ観測

亀裂が入った道路=17日午前8時45分ごろ、東松島市野蒜
2階浴室の窓ガラスが割れた女川温泉ゆぽっぽ。ペアガラスの外側が破損した=17日午前10時10分ごろ
地震の影響で入り口脇のガラスが割れたみやぎ東日本大震災津波伝承館。当面は休館とする=17日正午ごろ、石巻市南浜町
天井や内壁、書架が破損した東松島市図書館。蔵書の約9割が落下し、司書らが片付けに追われた=17日午前10時40分ごろ

 16日午後11時36分ごろ、宮城県と福島県で最大震度6強の地震があり、石巻、東松島両市で震度6弱、女川町で5強を観測した。気象庁によると震源は福島県沖で、地震の規模はマグニチュード(M)7.3と推定される。気象庁は県沿岸部に1メートルの津波が予想されるとして津波注意報を発表。石巻港で30センチの津波を観測した。注意報は17日午前5時に解除された。

 石巻地区消防本部によると、石巻地方では避難中の転倒や落下物などで9人が病院に搬送された。石巻市内では地震後に起きた交通事故で2人が負傷した。

 石巻市は沿岸部に避難指示を出し、12カ所に避難所を開設。最大442人が避難した。市教委は17日、校舎と通学路の安全確認のため全小中学校と市桜坂高を臨時休業にした。

 観光施設「おしかホエールランド」でマッコウクジラの骨格標本の一部が破損した。当面休館する。市複合文化施設に入る市博物館は17日、被害状況の調査で休館した。18日は開館する予定。

 東松島市では避難所17カ所に最大363人が避難した。避難所駐車場の自家用車で注意報解除を待つ市民も多かった。市は17日、全ての小中学校と幼稚園、保育所を臨時休業にした。

 大規模改修を終えたばかりの市コミュニティセンターで天井が一部損壊。宮戸地区の3漁港では物揚場に段差が生じた。市は17日、罹災(りさい)証明書の発行受け付けを始めた。

 女川町は避難所2カ所を開設し、最大12人と車26台が避難した。17日は女川小と女川中を臨時休校とした。町営「女川温泉ゆぽっぽ」は2階浴室の窓ガラス1枚が割れて落下した。昨年2、5月の地震でも異なる箇所の窓ガラスが割れ、休業が続いている。

 女川魚市場では17日午前3時ごろ、分電盤が焼け、約1時間半後に消し止められた。石巻署が地震との関連を含めて原因を調べている。

 石巻地方ではこのほか、多くの施設や住宅でひび割れなどの被害を確認。道路の陥没や落石、ブロック塀の倒壊も各地であった。

 交通機関にも影響が出た。JR仙石東北ライン、仙石線、石巻線は17日、始発から運転を見合わせた。三陸沿岸道は県内区間が通行止めとなり、正午までに解除された。ミヤコーバスは石巻-仙台間の高速バスの運行を始発から見合わせ、午後1時ごろに再開した。

 東北電力ネットワーク宮城支社によると、石巻市で最大約2400戸、東松島市で最大約100戸が停電し、17日午前11時10分までに復旧した。女川原発(女川町、石巻市)では1号機の使用済み核燃料プールの冷却が一時停止したが、その後復旧した。

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