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アニメ「漁港の肉子ちゃん」 来月16日、石巻で上映会 さんまさんと監督のトークも

 女川の港町を連想させる劇場アニメ映画「漁港の肉子ちゃん」が4月16日、石巻市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)大ホールで上映される。企画・プロデュースの明石家さんまさんと監督の渡辺歩さんによるトークイベントも決まった。同市中央2丁目の口笛書店が主催(石巻市、市教委共催)。新型コロナウイルス禍で活動を自粛していたが、上映会が本格的な活動の再開に向けての第一歩になる。

 「漁港の肉子ちゃん」は原作者の西加奈子さんが東日本大震災前、石巻市と女川町を訪れたのがきっかけで生まれた小説。女川町の漁港にある1軒の焼き肉屋をヒントに書かれた。

 この時、西さんに同行したのが当時、東京の出版社幻冬舎に勤めていた石巻市出身で現在、口笛書店代表の日野淳さん(45)。「漁港の肉子ちゃん」は日野さんにとって直接編集を担当した思い入れの深い作品。

 映画化は、さんまさんが原作にほれ込み自ら企画・プロデュース。「ドラえもん のび太の恐竜2006」の渡辺さんが監督を務めた。漁港の船に住む訳あり母娘・肉子ちゃんとキクコが紡ぐ心温まるコメディーで、上映時間97分。

 声の出演は大竹しのぶ、Cocomi、マツコ・デラックス、吉岡里帆ら。第45回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞するなど高い評価を得た。昨年6月に全国公開されたが、石巻地方では見送られた。

 渡辺監督は「物語の誕生の地で上映会、夢のようだ。ささやかなぬくもりを分かち合うようなひとときになれば」とコメントを寄せた。

 日野さんは「周りから『石巻でやってくれれば』と声があった。縁があって特別上映会を行うことになった。舞台となる漁港はどの町なのか特定されていないが、女川を感じさせる仕掛けになっている。原作が生まれたところに映画になって帰ってくる。とてもうれしい」と話す。

 口笛書店は2019年6月、出版社として発足。9月には西さんを招いたトークを企画したりと石巻地方の出版文化に新風を吹き込んできた。3年目を迎え、コロナ禍を乗り越えての再出発となる。

 上映会は(1)正午(2)午後3時40分-の2回。トークイベントは(1)が上映後、(2)が上映前。各回定員1000人。料金は全席指定で、大人1500円、大学生1200円、高校生以下700円。チケットは27日から発売。同市中央2丁目のIRORI石巻で扱う。連絡先は口笛書店080(4510)5520。

「漁港の肉子ちゃん」上映会&明石家さんま・渡辺歩監督トークイベント | 口笛書店
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