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多目的トイレをWEBで一覧 イトナブ菅原さん、マップ製作 機能充実へ寄付募る

「みんなのトイレマップ」を製作した菅原さん
クラウドファンディングページのQRコード

 一般社団法人イトナブ=石巻市大街道北=のウェブエンジニア菅原洋介さん(42)が、さまざまな障害や事情を抱える人がより便利に使えるようにと、多目的トイレのオンラインマップを製作した。機能や情報を充実させるため、クラウドファンディングにも取り組む。

 菅原さんは出産時の事故による脳性まひを抱える。手足が不自由なほか、言語にも障害がある。IT技術や障害の有無に関わらず働くことができるリモートワークに関心があったことから、2016年にIT技術者育成などを手掛けるイトナブで働き始めた。

 オンラインマップは、18年に市社会福祉協議会が制作した冊子「石巻バリアフリートイレマップ」を基に作り上げた。ウェブサイト上の地図にあるピンをクリックすると、市内に約180ある多目的トイレの情報が表示される。それぞれの内部の写真や利用時間をはじめ、専用駐車場やベビーベッド、呼び出しボタンやオストメイトなど設備の有無が分かる。

 菅原さんは「ウェブならもっと細かい情報を加える事ができる。利用者がより良い選択ができる材料を提供することが目的だ」と説明する。

 あらゆる人が使いやすいように操作面にも工夫を凝らす。手が不自由な人でも確実にクリックできるよう、画面の表示にマウスを合わせると色が変化するように設定。視覚に障害がある人のため、読み上げ機能にも対応した。

 「オンラインの利点は常に変わり続ける状況に対応できること」と菅原さん。情報更新のため、数人のボランティアらとともに市内のトイレの再調査に取り組む。一方、脚の不自由な菅原さんの移動費の面などで課題もあるという。28日までクラウドファンディングを実施し、集めた資金を調査費やサイトの維持費に充てる。

 個々人のさまざまな事情に対応するためには、マップ上により詳しい情報が必要になる。菅原さんは「いろいろな人が社会に参加しやすくなる仕組みをつくるために、IT技術を使って少しでもお手伝いがしたい」と力を込めた。

みんなのトイレマップ
石巻発!「みんな」が使いやすい多目的トイレWebマップを作りたい | クラウドファンディング READYFOR

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