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アスパラガス「採りっきり栽培」 産地化目指し勉強会 東松島

定植作業に取り組む参加者ら

 県石巻農業改良普及センターの「アスパラガス栽培管理勉強会(定植編)」が6日、東松島市矢本立沼のパスカファーム立沼の畑であった。

 高収益作物として知られるアスパラガスへの関心を深めてもらおうと、2020年度に始まった地域活性化事業の一環。東松島、石巻両市の農家や担当職員、いしのまき農協などから約30人が参加した。

 講師を務めたのは、1年サイクルで収穫が可能となった「採りっきり栽培」を、明治大と共同開発したパイオニアエコサイエンスの園芸種子部東日本事業所(宇都宮市)の松永邦則さん。「畑を選ぶ条件として排水の良い場所を選ぶことが大切」などと話した。

 定植方法などについての説明に耳を傾けた参加者は、畑を覆った3列の黒のマルチシートに45センチ間隔で穴を開け、160本ほどの苗を植えた。

 松永さんはアスパラガス特有の苗作りの大変さに加え、「キュウリやトマトに比べると収穫まで時間がかかる」としながらも「ぜひ特色のある売り方をしてほしい」と、呼び掛けた。

 アスパラガスの人気は高く、農家にとっては収入増が見込めるものの、これまでの栽培方法だと収穫するまで2~3年を要する上、病害虫対策も大変という。

 「採りっきり栽培」は露地で3~4月に苗を定植し、翌年3月下旬~6月上旬に収穫できるのが魅力。毎年株を更新するため、病気リスクも減り、設備投資費用も少ない。

 関係者は「採りっきり栽培が定着し、ビニールハウス栽培に移行できるようになれば産地化も可能になる」と、今後の成果にも期待を寄せている。

 勉強会は年3回の開催を計画。6月上旬には病害虫・支柱立てについての勉強会を予定している。

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