小麦、サケ、カニ… ウクライナ侵攻で飲食・食品業のロシア依存浮き彫り

ロシア産タラバガニの在庫を確認する渋谷課長=富谷市のカルラ

 東北の飲食、食品関連業者が、ロシア軍のウクライナ侵攻による原材料調達などへの影響を懸念している。ロシア産に依存していた海産物の供給停滞、小麦のいっそうの相場上昇が見込まれるためだ。各社は価格転嫁を軽減するための工夫を重ねるなどしている。

 「小麦は今後どれほど値上がりするのか。販売価格への転嫁はできるだけ抑えたいのだが…」。宮城県内でパン店を展開するパンセ(仙台市)の佐藤友彦取締役は気をもむ。

 ロシア、ウクライナ両国の小麦の輸出シェアは世界全体の3割近く。軍事侵攻による供給不安から国際相場が急騰している。政府から製粉会社への売り渡し価格に関しても、侵攻の影響が10月期以降に出てくる可能性があるという。

 もともと輸入小麦は北米産の不作などを背景に価格の上昇が続く。主に北米産を使うパンセも今年1月、3分の1の商品の値上げに踏み切らざるを得なかった。侵攻の影響で世界的に品薄となれば、材料のさらなる高騰は避けられない。

 佐藤取締役は「価格への影響を抑えるためには経営効率化が必要」と強調する。時間帯ごとの売れ筋を細かく分析して製造し、食品ロスの削減を徹底。節電も強化する。

 小麦を使った「盛岡冷麺」などの麺類を製造販売する戸田久(岩手県一戸町)も警戒感を強める。「過去にないほど原材料が値上がりするのではないか」と川原守社長。「スープの原料や麺類を包装するフィルムも値上がりしている。影響は計り知れない」と話す。

 タラやサケなどロシア産海産物を輸入する宮城県内の水産加工業者の多くも先行きを危ぶむ。侵攻や経済制裁の影響で輸入が滞る恐れがある上、国内在庫の出し渋りや中国の業者による買い占めも心配されるという。

 盛岡、仙台両市で3店を展開するカニ料理店「かに政宗」は、取り扱うタラバガニのほぼ全量とズワイガニの2割がロシア産。中国の需要増などで仕入れ価格がここ1年で倍以上になった。店は3月、ランチ以外のメニューを2割ほど値上げした。

 経済制裁強化の一環で、政府はロシア産カニの関税を現行の4%から6%に引き上げる方針。輸入品を扱う業者には逆風となる。店舗を運営するカルラ(宮城県富谷市)商品部の渋谷和伸課長は「一定の在庫があるので当面の影響はないが、状況が長引くと厳しい」と懸念。伊藤真市専務は「先行きが見えないのが一番つらい」と表情を曇らせた。

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