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震度6弱地震から1カ月 公共施設など、影響続く 石巻地方

つり天井のフレームのゆがみや隙間などが確認された東松島市コミュニティセンターのホール

 石巻地方で最大震度6弱を観測した福島県沖地震は16日、発生から1カ月がたった。石巻地方では被害を受けて再開の見通しが立たない公共施設があるなど影響が続いている。全壊や中・大規模半壊といった住宅被害は確認されていないが、罹災(りさい)証明の申請は3市町で計約1200件に上った。

 東松島市では約1年間にわたる大規模改修工事を終えたばかりだった市コミュニティセンターが被災し、4月に予定していた利用再開を延期した。ホールのつり天井のフレームがゆがみ、廊下と壁のひび割れ、駐車場の亀裂も確認された。

 再開は復旧工事後の予定で、時期は未定。指定管理するNPO法人東松島市芸術文化振興会の千葉義信事務局長(59)は「4~6月は80件弱の仮予約が入っていたが、キャンセルさせてもらった。リニューアルを楽しみにしていた市民も多い。できるだけ早く再開したい」と話した。

 市健康増進センターゆぷとはプールが破損し、プールエリアの利用を休止。市図書館も天井などに被害があり、休館が続く。

 石巻市は牡鹿地区の観光施設「おしかホエールランド」を臨時休館している。壁などにひびが入ったほか、体長16.9メートルのマッコウクジラの骨格標本の下あご部分が落下するなど展示物も被害を受けた。

 市は建物と標本の修繕方法を検討しており、再開のめどは立っていない。マッコウクジラの標本は展示の目玉でもあり、市牡鹿総合支所は「再開の在り方も含めて最善の方法を考えたい」と説明した。

 市河南学校給食センターは建物やボイラーに被害があり、給食調理を休止。担当する河南地区の小中学校計8校では1学期中、業者から仕入れた食事を提供する。遊楽館の会議室、北上公民館の交流ホールも利用を見合わせている。

 石巻魚市場は水揚げ場の岸壁部分の地面に一部ずれが生じ、最大で20センチほどの段差ができた。業務に支障はないという。女川魚市場は地震発生時、分電盤が焼ける火災があった。現在は水揚げ場所を変更するなどして通常業務を続ける。

 罹災証明は石巻市が14日までに773件の申請があり、315件を発行した。半壊が4件、準半壊が6件、一部損壊が305件だった。東松島市は15日現在、申請419件のうち見込みを含む326件を発行。半壊が1件、準半壊が21件、一部損壊が304件。女川町はこれまでに6件の申請があり、全て発行した。

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