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石巻圏観光動態調査まとまる 日帰り旅増え、消費額減少 コロナ感染拡大が影響

観光客が多く訪れるいしのまき元気いちば(手前)と石ノ森萬画館
回答者の2割が足を運んだ東松島市震災復興伝承館=東松島市野蒜

 石巻市の一般社団法人石巻圏観光推進機構が、2021年度の「石巻圏観光動態調査」の結果をまとめた。新型コロナウイルスの感染拡大で人の移動が制限されたこともあり、来訪者の6割以上は県内客で、前年を約13ポイント上回った。旅行形態も政府の観光支援事業「Go To トラベル」があった前年より日帰り旅行が増え、平均消費額は約2800円減った。

 調査期間は21年4月1日~8月31日。石巻地方の宿泊・観光施設13カ所の利用者にアンケート形式で行い、373件の回答があった。

 来訪者の居住地は県内が61.7%、関東地方21.2%、東北5県・北海道が6.7%だった。県内在住者の割合は前年より13.6ポイント上昇し、約6割がリピーターだった。

 来訪目的は「自然観賞・散策」が34.9%で最も高く、「食事・グルメ」が25.5%、「震災からの復興状況の見学」が24.4%で続く。石巻市の石ノ森萬画館、東松島市震災復興伝承館、女川町のシーパルピア女川・ハマテラスを訪れた人が多かった。

 宿泊旅行者の割合は「Go To トラベル」があった前年より21.2ポイント低下の50.1%。うち石巻地方に宿泊した人は6割だった。一人当たりの平均消費額は7861円で、前年より2817円減った。

 満足度は、「非常に満足」と「やや満足」の合計が64.3%だった。エリア別では石巻65.2%、東松島61.2%、女川68.4%。自然や街並み、食事は比較的満足度が高いが、案内看板の設置や情報発信について改善を求める声があった。石巻地方と合わせてNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」の舞台となった気仙沼市を周遊した人も増えた。

 推進機構の担当者は「三陸沿岸道の全線開通で利便性が向上した。石巻地方に長時間滞在し、宿泊してもらえるような工夫が必要。岩手県南からの誘客も探りたい」と話した。

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