北上川河口部・復旧復興事業が完了 「かわまち」づくり同時整備 23日に完成式
東日本大震災で被災した石巻市の北上川河口部の復旧復興事業(堤防整備)が3月末に完了した。これにより、100~150年に1回発生する津波に耐えられる治水機能が確保された。国土交通省東北地方整備局と石巻市は23日午前11時から、市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)で事業完成式を開く。
事業は北上川河口部の両岸計15キロ(右岸側・曽波神大橋近くまで、左岸側・石巻専修大近くまで)の区間で計画され、堤防高を海抜7.2~4.5メートルに整備した。2013年1月に着工。総事業費は約1100億円。
右岸側の整備は南浜、門脇、中央、住吉、蛇田地区。左岸側は湊、不動町・八幡、井内・藤巻、大瓜、南境地区。全地区の堤防は既に一般開放され、市民らが散策やウオーキングなどを楽しんでいる。
事業主体の国土交通省北上川下流河川事務所は、堤防整備と合わせて、市民の集いの場や憩いの場となる水辺空間を整備する「かわまち」づくりも石巻市と連携して進めた。
北上川下流河川事務所は「堤防整備の完成に伴い、まちづくりと一体となった(石巻市中央の)『かわまち交流拠点エリア』の利活用が一層進み、河川空間のにぎわい創出に寄与することを期待する」と話している。