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石巻圏・新百景>洲崎湿地(東松島市野蒜)

朝日に照らされた洲崎湿地。水草が生い茂り、周囲に鳥の声が鳴り響いた。奥に見えるのは松島湾=13日午前5時40分ごろ
静かな水面では野鳥が羽を休め、餌を探す姿がみられる

<生き物が憩う水辺再生>

 昇り始めた太陽が照らす水面を包むように、鳥の鳴き声が響き渡る。東松島市野蒜地区の洲崎湿地は淡水と海水が混ざり合う汽水域で、さまざまな生き物が生息する。

 野蒜地区は東日本大震災で甚大な被害を受け、湿地の周辺環境も一変した。湿地にも津波が押し寄せたが、野鳥や水中生物が再び見られるようになり、冬には数千羽を超える渡り鳥が飛来する。地元団体などが環境調査に取り組み、住民らの間では「奇跡の湿地」とも呼ばれている。

 地区では震災後、伝承施設や運動公園、観光施設などが整備され、野蒜海水浴場は今夏、12年ぶりのオープンを予定する。メダカやビリンゴなどが生息し、かつてはウナギもいたという洲崎湿地。環境教育や観光に生かす構想も描かれ、周辺エリアとともに地域に親しまれた水辺の再生が進む。

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