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耕作放棄地で水耕メロン 太陽光発電施工会社が事業化 東松島

メロンの出来を確認する高橋社長。赤い果肉と青の果肉の2種類を栽培している

 東松島市赤井鷲塚の耕作放棄地でメロンの水耕栽培が行われている。同地区出身の高橋実さん(68)が社長を務める太陽光発電システムの販売・施工会社「セラウェーブ」(東京)が手掛ける。環境に配慮した農業の推進と耕作放棄地の利用拡大にもつながるとして、栽培法の確立と普及に力を入れている。

 「まちだシルク農園」(東京)の水耕栽培技術「町田式新農法」を導入し、2021年1月に栽培を始めた。栽培槽内の液肥の循環に工夫しているのが特徴で根が放射状に育つため養分が行き渡り、根腐れが起きにくい。従来の栽培法は1株からの収穫が1~5個ほどだが、町田式は最大60個、かつ年3回の収穫が期待できるという。

 ハウス内の温度や湿度、液肥濃度などはコンピューターで管理し、農業初心者でも栽培が可能。セラウェーブでは電力の一部を太陽光発電で賄っている。

 ハウスを設けた鷲塚地区から1文字を取って「麗鷲(うるわし)のメロン」と命名した。1年目の昨年は2回で計200個ほどを収穫した。インターネットや東京のイベントで販売され、1個5000円からと高価格帯ながら完売したという。

 高橋社長は「実の大きさや糖度といった品質はもちろん、収量も1年目としては上出来。さらに収穫時期や収量の安定化を目指したい」と意気込む。

 セラウェーブは東日本大震災後の13年に東松島支店を開設。20年に町田式新農法を知り、本業の太陽光発電事業と組み合わせることで環境に配慮した農業や耕作放棄地の利活用につなげられると考え、メロン水耕栽培の事業化を図った。

 町田式システムの販売権を得て、東北地方での普及に力を注ぐ。高橋社長は「再生可能エネルギーを活用した水耕栽培を広めていきたい」と語る。

 セラウェーブはメロンの直売会を22、23の両日、東松島市赤井鷲塚118のハウス前で行う。午前10時からで、売り切れ次第終了。個数限定で1個5000円~。支払いは現金のみ。連絡先は日下さん070(2680)1977。

「麗鷲(うるわし)のメロン」 特別限定販売 - セラウェーブ
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