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石巻地方・新任校長に聞く 住吉小、石巻中

大場嘉博さん(おおば・よしひろ):1963年5月、石巻市生まれ。文教大卒。旧女川町女川五小が振り出し。東部教育事務所指導主事、加美町鳴瀬小校長、気仙沼教育事務所管理主事などを務めた。石巻市在住。
山内芳明さん(やまうち・よしあき):1964年11月、石巻市生まれ。宮城教育大卒。米山町(現登米市)米山中が振り出し。女川町女川中教頭、富谷市成田中校長、石巻市教委学校教育課長を務めた。石巻市在住。

 今春、新たに石巻地方の小中学校に着任した校長に抱負や学校づくり、教育観などを聞いた。

石巻市住吉小 大場嘉博さん(58)

<生活習慣の定着目指す>

 住吉小は23年ぶり2度目の勤務。「住吉小は4年生まで在籍した第2の母校。学んで、教員として育ててもらった学校である。伝統や歴史を大事にしながら、これからの教育を見据えて学校経営に取り組んでいく」と抱負を語る。

 児童は92人。「たくましさや優しさ、賢さを身に付けてほしいので、教員には子どもたちの心に灯をつけてほしい」と期待する。

 「初等教育で習得させることは基本的な習慣、基礎的な学力、人と関わる力。小学校の6年間を通して育てていきたい」と意欲を示す。

 学校の経営理念は「全ての土台は生活習慣」。(1)睡眠習慣(夜9時にはしっかり寝る)(2)食事習慣(朝ごはんをきちんと食べる)(3)運動習慣(外でよく遊ぶ)-の定着を目指す。

 理念の実現には地域や保護者の協力が欠かせない。「協力を得ながら、地域に根差した学校づくりを進める」と強調し、「子どもたちには朝会の中で分かりやすく伝えていく」と言う。

 住吉小で卒業学年を担任した時、児童が企画した感謝する会でサプライズを経験した。会終了後、全員起立して6年の担任に向けて感謝のメッセージを贈った。「感激した。心が洗われた」。教え子の成長の証しを今でも忘れない。

石巻市石巻中 山内芳明さん(57)

<チャンス生かし挑戦を>

 「人生の中でチャンスは平等である。青春時代にあるのは成功と学びだけだ」と熱く語り、「チャンスを生かして、チャレンジして、今までとは違う成長した自分にチェンジしてほしい。教師は全力で応援する」と生徒にエールを送る。

 石巻中は10年ぶり2度目の勤務。「校舎4階から眺める海の景色が懐かしかった。木村民男校長の時に作られた石中心得『自主』『自律』『品位』も変わらず残っており、伝統の重さを感じた。不易の部分は大切にしながら、これから先の時代を生きていく子どもたちに身に付けさせなければならない力を育てていきたい」と意欲を見せる。

 「20~30年後は世の中が大きく変わり、多くの課題に直面する中、個人の力だけでは解決できない時代になる」と予想し、「知識や技能を出し合って協働する力が必要になってくる」と指摘する。「授業の中では、インプットしたものを友達と教え合ったり、他者の意見を聞いて自分の意見を深めたり広げたりする。思考の交流につながる授業が大切」と強調する。

 教員が変われば生徒が変わる-。「チーム石中としての力を上げていく」と学校づくりにまい進する。教諭時代は生徒指導主事を経験し「どんなことがあっても見捨てない」が信条。

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