鮎川捕鯨など4隻、ミンク求め八戸沖へ 仙台湾沖の水揚げなく終了
石巻市鮎川浜の捕鯨会社「鮎川捕鯨」などは、今月3日から仙台湾沖で始めた今季の商業捕鯨のミンククジラ漁を終了した。2020年に鮎川港を拠点とした漁が32年ぶりに再開してから捕獲なしに終わったのは初めて。19日は八戸沖に移って漁をするため、夕方に石巻漁港を出発した。
石巻漁港から八戸に向かったのは鮎川捕鯨の第3大勝丸(19トン)と第8幸栄丸(32トン)など4隻。船員が見送りに来た家族らに手を振りながら出港した。
鮎川捕鯨によると、今季は捕獲対象にならない小さなクジラの発見はあったものの、強風や雨といった荒天、例年より低い海水温、クジラの餌になるコウナゴとメロウドが仙台湾沖で見られなかったことなどが重なり、不漁につながったのではないかという。
同じく石巻市の外房捕鯨鮎川事業所や和歌山県太地町漁協の船も合流し、仙台湾沖や福島沖を回ったが、捕獲できず、操業日数もわずか6日だった。
第3大勝丸の砲手兼船長の阿部孝喜さん(51)は「石巻に揚げたかったが、悪天候でかなわず残念。場所は変わるが、一日でも早く新鮮なものを届けたい」と話した。
昨季のミンク漁は4隻で91頭を捕獲。今後は八戸沖や釧路沖などに移動し、夏ごろまで操業する。漁獲可能量は137頭。