ハワイへの思い一冊に 石巻出身の自然写真家・高砂さん出版
石巻市出身の自然写真家高砂淳二さん(59)=東京都=が、写真集「Aloha(アロハ)~美しきハワイをめぐる旅~」を出版した。約30年間、撮影で通い続けたハワイへの思いが詰まった集大成とも言える一冊だ。
高砂さんにとってハワイは特別な場所。タイトルのアロハは、全てを受け入れる「心」や「精神」のことであると同時に、「思いやり」や「尊敬」「愛」をもって人に接するという意味がある。高砂さんが出会った先住ハワイアンから学んだ知恵だ。
写真集はまさにアロハに満ちている。ハワイの青く澄んだ海や神々しい山々、神秘的なナイト・レインボー(夜の虹)、溶岩が流れ出る瞬間といった壮大な自然の風景だけでなく、車の窓から顔を出す2匹の犬、懸命に泳ぐカメといった愛らしい生き物たちの表情までが、色彩豊かに切り取られている。ドローンや水中カメラを駆使して撮影したダイナミックな写真もある。昨年秋に撮影した最新作品も収められている。
ハワイの優しい大地に包まれ、地球の鼓動を感じることのできる愛に満ちた一冊で、どの写真にも高砂さんのハワイへの愛情がにじみ出ている。高砂さんのエッセーも収録、ハワイアンの知恵やハワイへの思いがつづられている。
高砂さんは「先住ハワイアンから教わったのは自然に対して謙虚になること、人間は地球を支配するのではなく自然や生き物たちと共存共栄しなければならないこと。ハワイアンの知恵を学んだことで写真に臨む心構えが変わった。カメラマンとしての原点がある」と強調する。
新型コロナウイルス感染症拡大、ロシアのウクライナ侵略など殺伐とした今の社会状況に、高砂さんは「愛が一番大事。この写真集からそれを少しでも感じ取ってもらえたら」と願う。
写真集「Aloha~美しきハワイをめぐる旅~」はA4判変型、144ページ。定価2400円(税別)。パイ・インターナショナル発行。