石巻かほく杯中学校野球 桃生と河南東が決勝進出
第36回石巻かほく杯中学校野球大会(三陸河北新報社、河北新報社主催)の準決勝が24日、石巻市桃生球場で行われた。桃生が7-0で蛇田を下し、河南東が効果的に得点を重ね、飯野川・女川を9-2で破り決勝へと駒を進めた。桃生は5度目、河南東は初の大会制覇を目指す。
3位表彰は準決勝終了後にグラウンドで行われ、蛇田の鷲足悠元捕手と女川の岡本健吾内野手が優秀選手に選ばれた。
決勝は29日午前9時から、桃生球場で行われる。
◇準決勝(桃生球場)
桃 生200113-7
蛇 田000000-0 (六回コールドゲーム)
(桃)佐藤-武山(蛇)野口、高橋、野口-鷲足
▽三塁打=佐藤、山崎(桃)▽二塁打=高橋大(桃)
【評】桃生が快勝。一回2死二、三塁から川西の中前適時打で2点を先制。四、五回にも得点し、4-0の六回に山崎の左越三塁打などで3点を追加した。投げては主戦佐藤が相手打線を2安打で抑えた。蛇田は一、四回の得点機を生かせなかった。
河 南 東 22500-9
飯野川・女川 11000-2 (五回コールドゲーム)
(河)木村拓-加藤(飯)今野寛(飯)岡本(女)-西條玲(飯)
▽二塁打=今野寛(飯)木村拓、加藤(河)
【評】河南東が小刻みに得点しコールド勝ち。一回に山根の適時内野安打と阿部の中前打で2点を先制。二回にも追加点を挙げ、2点リードの三回は木村拓の二塁打などで5点を奪い突き放した。飯野川・女川は序盤で相手投手を攻略できなかったのが痛かった。
【優秀選手】
■鷲足悠元選手(蛇田3年)
3番捕手として出場。中軸の一角を担った。23日2回戦の一回裏、安打と四球で得点圏まで進んだ走者を中犠飛でかえし、先制点を奪った。
「短い練習期間の中だったが全員で協力し、フォローしあいながら試合に取り組むことができた」と振り返る。
中総体へ向けて、バッティングを課題に挙げる。学校の練習がない日も友人同士で集まりフォームを確認。意見を交換しながら互いに磨きをかけている。
「ヒットをたくさん打って得点を入れ、チームに貢献していきたい」と意欲を語った。
■岡本健吾選手(女川3年)
合同チームの主砲を務め、2回戦からはマウンドにも立つなど、攻守で存在感を発揮した。「個人成績よりもチームの勝利が優先。選ばれたことはうれしいが、優勝できなかったことが悔しい」と話す。
人数不足を補うため、動画で好調時のフォームやプロ野球ヤクルトの村上宗隆選手のスイングを見て打撃を研究。23日の1回戦で右越え三塁打、2回戦は左前に先制の適時打を放つなど、広角に打つ技術も光った。
「敗れたが個人の状態は良い。中総体まで維持して勝ち上がりたい」と雪辱を誓った。
合同チームの4強入り、5年ぶり
23日に石巻市の桃生球場などで開幕した「第36回石巻かほく杯中学校野球大会」(三陸河北新報社、河北新報社主催)で飯野川・女川が、合同チームとして2017年以来、5年ぶりに4強入りする活躍を見せた。24日の準決勝で河南東に敗れたが、選手たちは6月の中総体に向けて手応えを得ていた。
犠打を極力使わない攻撃的な野球が持ち味。今大会では矢本二(5-2)、河北(12-3)、河南東(2-9)の3試合で計19得点を挙げ、蛇田と共に3位表彰を受けた。
合同チームの佐々木大地監督(飯野川)は「打撃重視は人が足りないことで生じる守備の連携不足を補う面もあるが、それ以上にバットを振れる選手が多かったから。持ち味を生かした方が選手もいいプレーができる」と意図を話す。
各校での練習が基本だが、毎週水曜日の夜は女川町の運動場に集まり、腕を磨く。高校生や社会人の女川中OBらが打撃投手を務めたり、配球のアドバイスをしたりするなど、レベルの高い野球に触れる機会を持つことで、他校とのビハインドを克服してきた。
土日も合同練習に励む。守りも大きなミスはなく、選手は中総体での雪辱を誓う。今野寛弥主将(飯野川3年)は「一つのチームという意識が定着し、言いたいことを言い合えている。個人のレベルを高めて、一つでも多く勝ちたい」と抱負を語った。