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「奇跡の桜」を壁画に 来月6日、完成披露 雄勝小・中

 石巻市雄勝小・中学校(児童23人、生徒10人)で校木「奇跡の桜」をモチーフにした壁画制作が進められている。児童、生徒が中庭に面した高さ5メートル、幅13メートルの校舎の壁に、桜を中央に置いた構図で描いた。制作には昨年、雄勝地区に1カ月滞在し、その際に描いた風景画を同校に寄贈した芸術家の安井鷹之介さん(東京都在住)が協力。児童生徒と共に作業に当たった。壁画は加筆、仕上げを経て、5月6日に完成披露会が開かれる。

 「奇跡の桜」はかつて旧雄勝中にあり、東日本大震災の津波に1本だけ耐えたヤマザクラ。他の場所に一度保存移植され、現在は2018年に移転新築された雄勝小・中学校の校舎正面にある。最近は樹勢が衰え、昨年まで付けていた花は今年、一輪も咲かなかったという。

 一部は接ぎ木で苗木として育てられ、同校花壇に植えられた2本は2代目校木として順調に育っている。

 児童生徒による作品はもう一つある。さまざまな色のペンキを重ね塗りした横2.4メートル、高さ1.6メートルの合板を縦40センチ、横30センチに切り分け、それぞれが、目前に広がる雄勝湾などをイメージした絵を描いた。

 「奇跡の桜」が元気を取り戻し、再び花を咲かせるようにとの願いを込め、ピンク色の花を幾つも描いた作品や桜がずっと見てきた海を表現した鮮やかな青色を塗り重ねたものなどがあった。

 安井さんと共作することで、児童生徒が芸術活動に触れる機会にもなっているようだ。海を描いた雄勝小5年浜田天祐君(10)は「海が好きだし、海が似合う桜にしたい」と筆を走らせていた。