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春の叙勲 多年の功績に光 石巻地方受章者、喜び語る

 2022年春の叙勲受章者が29日付で発表された。石巻地方からは6人が地方自治や消防、中小企業振興などの功労で受章した。このうち5人が喜びを語った。

 

◇旭日小綬章(地方自治功労)
元石巻市長 亀山紘さん(79)=石巻市駅前北通り

 2009年の市長就任後、東日本大震災で被災した石巻の復旧復興に尽力。昨年4月、3期12年で退任した。「たたえられるべきなのは復興の仕事をした職員と派遣職員。彼らの代わりに受章したと思っている」 
 石巻市は震災で3553人が亡くなり、417人が行方不明に。多くの命を守れなかった後悔に今もさいなまれる。「市民が安全安心に暮らせるまちに復興を遂げてほしい」と願う。

 

◇旭日小綬章(地方自治功労)
元東松島市議 佐藤富夫さん(81)=東松島市大曲

 旧矢本町時代を含め8期29年間、東松島市議を務め、2011年までの4年余りは議長に就いた。 
 会社員出身の視点で行財政改革に尽力し、経費削減や議会基本条例の制定、議員定数削減などに貢献。鋭い提言を続け「ミスター地方自治法」と呼ばれた。 
 「地域に恩返ししたいと誠実に働いただけ。議会と市職員が資質を高め合い、市民のための政策を実現してほしい」

 

◇旭日単光章(中小企業振興功労)
元東北電子工業社長 佐藤幸太郎さん(73)=石巻市小船越

 時代のニーズに合わせたものづくりを展開し、地域の雇用を担ってきた。「社員に恵まれた。個人での受章ではないと思っている」と周囲の支えに感謝する。 
 「地域と共に」との思いから産学官連携にも力を注ぎ、現在は東日本大震災を機に同志と設立した「I・D・F」の社長を務める。経営塾で後進の育成にも当たり「地域のリーダーになってほしい」と経験を惜しみなく伝えている。

 

◇瑞宝単光章(消防功労)
元石巻市消防団副団長 佐々木宏さん(70)=石巻市前谷地

 「当たり前のことをしてきただけで身に余る光栄。消防団の先輩、同僚、後輩に感謝したい」と謙遜する。 
 入団は1978年。2011年7月から14年3月末まで副団長。その後も、機能別団員として昨年6月末まで、団を支え続けた。 
 東日本大震災では、多くの被災者を受け入れる避難所の運営に当たった。17年には防災士の資格を得た。 
 「後継者が1人でも多く育つことを期待している」

 

◇瑞宝単光章(消防功労)
元石巻市消防団分団長 佐藤和夫さん(81)=石巻市不動町

 「本当にうれしく思う。これもひとえに団員仲間や家族の支えがあったからこそだと思う」 
 消防団への入団以来、半世紀近くにわたって、市民の安全・安心のために尽力してきた。東日本大震災では、行方不明者の捜索に参加した。 
 「最近、全国各地で大地震や大規模な自然災害が相次いでいる。団員には自分の安全を確保しながら市民のために頑張ってほしい」

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